2008年05月18日

白雨:真崎ひかる


真崎 ひかる
Amazonランキング:18377位
Amazonおすすめ度:



<あらすじ>
水沢那智の焼菓子店を、夜ひとり訪れる男の子。閉店間際にやってきては必ず「全部」買っていくその子の保護者として現れたのは、水沢のかつての恋人・加賀有隆だった。激しい雷雨にも似たあの日々、いとしさと不安をぶつけ合い、最後には水沢が裏切った恋人―八年前の面影を残しつつ穏やかに微笑む加賀の真意が見えず、心惑う水沢だったが…。
御曹司×パティシエモノ。


ラブリーポメラニアン(笑)以来、よく読んでる真崎さんです。
ああいうコメディ書かれたかと思えば、こんなしっとりした話も書かれるんですよね。
ワンコ以外にも、同級生の再会モノはやっぱり萌えるな〜♪
しかし、こんないい作品がお蔵入りしそうだっただなんて!
・・・ルチル文庫さんGJ!





複雑な家庭の事情を持ちながらも優等生の那智と、社長の息子でありながら問題児の有隆。
生まれも、性質も、何もかもが違う二人が、顔を合わせることになったのは、ボランティアで行くことになった病院。
お互いに、タイプの違う相手に合わないような気がしながらも、興味が湧いてしまう。
そのうちに二人は、むさぼるようにお互いを求めあうことに。
若い二人に、別れが訪れるのは早く、親にバレたことから、無理やり別れさせられることに。
結局、那智は有隆の前から黙って姿を消してしまう・・・。

ただお互いのことだけしか見えなくて、求めても求めても足りない、そんな日々を過ごし、未来になにも見いだせなくて、一緒に死んでしまおうなんて考えてしまう、そんな若気の至りというにはちょっと苦い過去。
そんな時間を共有した二人が、大人になり環境も何もかもが変わってから迎えた再会。
・・・スイマセン、超ツボにハマります(笑)
しかも、一世一代の逃避行を裏切るのは、受けの役目なんですよね。
ドロを被るというか、なんというか。
嫌われようが恨まれようが、結局相手が大事で、本当に好きだから、まわりの声にしたがって、手を放す。
お互いに無力で、バカな子供だったから、ソレが一番の未来だと信じて。
忘れることも、なかったことにもできないくせに。
そのための、八年の回り道。
長いとみるか、短いとみるか、それは本人たち次第ですよね。

那智にとって突然だった再会は、有隆にしてみれば、計画的。
自分で責任のとれる年齢にもなり、社会的立場も得たことで、那智に会いに来たんですが、そこでちょっとした誤算。
子供の隆世をダシにつかってしまったがために、気持ちが擦れ違う。
那智は恋人がいるなんて嘘をついてしまうし、有隆は気持ちはないから身体だけ、そんなことを言ってしまう。
お互い、忘れられない存在だったのに、嘘ついて身体の関係を持ってしまう。
でも、やっぱり自分に嘘はつけないんですよね。
18歳の頃に戻ってしまうんです、気持ちが。
ただ、あの頃と違って、感情を隠すことがうまくなってるぶん性質が悪くて、どんなに心の中で激しく求めたって、それを欠片も見せない。
那智も有隆も、どんなに相手を好きかを思い知ることになるだけで、これっきりなんて、どうしたってできない。
そんな二人が、再び心通わせることになりますが、そこで有隆の告白が、すごくよかったです。
八年前、無力な子供でいることに苛立って乱暴にただ那智のことをむさぼるように抱いてた有隆が、大人になった今、「愛してる」って言うんですよ。
そしたら「簡単に言うな」って那智に怒られて、有隆は「簡単だと思うか?」って答えるんです。
やっぱりこの人たちには、あの八年は必要なものだったんだなって、思いました。
そんな覚悟できるほどになるなんて。
タイトルの「白雨」って、にわか雨という意味ですが、まさに今現在の二人。
激しい雷雨の日に焦燥感に駆られお互いを求めあったのが嘘みたいです。

那智の焼菓子店のバイト君たちの話も、最近でたんですよね。
・・・大人カップル好きとしては、高校生の若い恋を読むべきか、悩み中(笑)


この記事へのコメント
こんばんは!棗さん。
メールでお話したとおり、TB頂きに上がりました。
…って、無事に飛んでます?飛んでなかったらゴメンナサイ。
私のPCがへっぽこな所為か、シーサーさんとかココログさんのTBってちゃんと飛んでいるのかよく分からないんですよね。
うむむ。

棗さんが『淡雪』よりも面白いと仰ってて気になってはいたのですが、最近読書の気持ちになれなくてズルズルと一ヶ月くらい寝かせちゃいました(笑)。
でも、本当に『淡雪』より良いというか、私もコチラの方が好みのシチュエーションでした♪
私は、棗さんとは逆で年下攻めじゃなくて、二人がタメ友だったから余計にテンション上がってる気がしますー。

いいなあ、青春の恋を突っ走る覚悟を決める二人が大好きですー。
冷却期間がありましたけれど、互いの思いを一生のモノにするために、一時的に離れてて8年後の再会が棗さんもおっしゃっているように、見事に丁度良い頃合だったんだろうなあ、と思います。
やっぱり、私はこういう“カワイイ”BLが好きです〜♪

ではでは!
また、萌えばかり語っててすみません…。
Posted by tatsuki at 2008年08月05日 19:04
tatsukiさんこんばんは♪
私も暑くて、読書熱がさがってます〜、そのかわりCDばっかり聴いてますよ(笑)
仕事中にふと平川さんの声を思い出して、頬が緩んで大変です(←気持ち悪い)

TBは大丈夫でした!ばっちりでしたよ。
seesaaは再構築しないとうまく表示されないんですよねえ・・・。
めんどくさいやつめ(笑)

この作品お気に召したようで、よかったですー。
『淡雪』絶賛されてたので、どうかなーと思ってましたが、ふふふ、やっぱりカワイイのがお好きですね♪
ベタっちゃあベタですけど、最近はこういう、再会モノってどうもツボにきます。
年のせいでしょうか(笑)
大概、年下ワンコが!とくどいほど言い続けてますけど、私もこういう再会モノだと同い年ってのが萌えますね〜。
お互いの成長とか変化に、驚いたりちょっと嫉妬してみたり、そういうのがなんか好きです〜♪
だからと言って、自分がそういう再会したいのかと言えば、違うんですよねー。
寧ろなかったことにしたいですから(笑)

そして、私は『淡雪』未読です〜。
高校生同士と聞いて、ちょっと腰が引けてます。
機会があれば読みたいなと思いつつ、積読山脈が大変な状態なので、手が出ません(笑)

熱いコメント&TBありがとうございました♪


Posted by 棗 at 2008年08月05日 21:18
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