2007年11月04日

恋をしている君たちへ:麻生雪奈


恋をしている君たちへ (アクア文庫)

恋をしている君たちへ (アクア文庫)

  • 作者: 麻生 雪奈
  • 出版社/メーカー: オークラ出版
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: 文庫






※ネタバレかもしれません・・・。

<あらすじ>
中学生の時、北の国から転校してきた、カナの無口な親友・侑斗。高校生になったカナは侑斗に対し、「トモダチ」以上の感情を抱くのだが、今の二人の関係を壊したくなくて、自分の気持ちを隠していた。ところがある日、カナが中学生の時につきあっていた彼女・千鳥の存在を侑斗が知ったことから、次第にカナと侑斗のバランスが崩れ始めてしまう。さらに、侑斗と千鳥がデートをしたという噂が校内に流れ―。
高校生×高校生モノ。


旧版と新版の両方を持っているという、大好きな作品です。
時の流れとともに、ポケベルから携帯電話へと通信アイテムは進化して行きますが、人が人に恋する気持ちは、どんなに時が経とうとも色あせないですよね。
旧版の二宮悦巳さんのイラストもステキでしたが、新版の木下けい子さんの淡い雰囲気のイラストがぴったりでした。(画像が青っぽいですが、実際はもっと綺麗なんですよー)
百道へゆきたい・・・。



親友以上恋人未満な関係の、高校生の初々しい恋愛モノなんですが、この作品。
あの親友を自分だけのものにしたいという、独占欲のような感情、なんとなく覚えがあるので、懐かしさというより、酷く恥ずかしい思いをしながら読みました(笑)
ただ、自分はあれは友情の延長上の感情だったとしか思えなかったですけど。
カナは侑斗に対する、感情を「恋」だとはっきり自覚するものの、いまの心地よい「親友」というポジションを失いたくない一心で、一生懸命に自分の中でライン引きをしてしまうんですね。
自分の本当の感情には、例え侑斗でさえ踏み込ませない。
侑斗と親友であり続けるために、自分で決めたルール。
そんなルールを決めて、どんなに隠そうとしても、難しいのが恋ではあるのだけど。
ある日、カナの昔の彼女のことを、侑斗が知り、「知らなかった」と責められてしまう。
自分は、カナに出会う前のことも、なんだって話したのに、カナは自分にすべてのことを話してくれてなかった、と。
親友だったら、そんなことじゃ怒らない。
だから、カナも、侑斗が自分のことを好きでいてくれるのかなと、思ってしまう。
でも、一方の侑斗がカナの元カノとつきあってるらしいという噂が流れ、それを他人の口から聞いたカナの心中は複雑で、自分だって隠し事があるって思ってしまう。

そうやって、親友以上恋人未満の感情を持て余す二人が、福岡を舞台に恋をしていくのですが、地方と呼ぶには大都会・福岡なんですけど、この舞台設定がいいんですよね。
東京みたいな都会じゃなくて、福岡。
しかも、海のそば、百道浜の情景はいいですね。
すごく雰囲気ぴったりで。
気持ちを伝えあった二人が、ある時、駆け落ちしようとするんです。
家族の転勤で、北海道にいかなくちゃいけない侑斗。
それを聞いたカナは、俺と一緒に逃げてよ、と侑斗に言うんです。
その待ち合わせの場所が百道浜。
結果としては、失敗に終わってしまう駆け落ちなんですけど、朝早い浜辺にたたずむ二人が想像できるんですよね。
このシーンは、すごく好きなんです。
二人の気持ちをもう一度確かめたって意味もあるけれど、まわりの人たちにどれほど愛されてるかってことを自覚できたんじゃないでしょうか、若者たちは。

それにしても、私にしては結構意外なことに、えっちシーンに重きを置かなかった作品なんですよね(笑)
読んでて、なんとなく若さゆえの暴走気味でむちゃしてる感じも好きではあるんですけど、恋をしている気持ちが丁寧に書かれてたその雰囲気がすごく好きでした。
で、今回読み返してみて、なんとなく理由がわかりました。
・・・なんか、ものすごく気持ちよさそうって感じじゃないんですよね(笑)
寧ろ、きつそう・・・。
そうだよね、30過ぎの攻めくんたちみたいに、経験値がべらぼーに高いわけじゃないもんね、侑斗。
でも、最後の最後で、気持ちが盛り上がって、したいっという感情のままなだれこんだえっちはなかなかおいしゅうございましたが・・・。

どうでもいのですが、オークラさんのアクア文庫って、こういうピュア路線もありなんですね・・・。
オークラさんの、コミックスの方は、すんごいラインナップなもので、ちょっと意外でした(笑)




旧版。画像は見つけられなかった、残念・・・。

麻生 雪奈 / 桜桃書房(1999/10)
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Amazonおすすめ度:

posted by 棗 at 12:00| Comment(2) | TrackBack(1) | BL(小説)>イロイロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
棗さん、こんばんは!

棗さんのレビュー読みながら、またきゅんとしちゃいました(^^)
いいですよね〜・・・、なんだか自分の若かりし頃を・・・ゴホゲホ・・・。
高校生らしいBLを鮮やかに書ききってるな〜って思いました。
でも、高校生BLに絶対ある初々しい初Hシーンがないのが何とも意外でしたが、このお話の雰囲気的には満足でした(いや、読めるなら読みたいけど)!

身近な土地なだけに、あそこでこの2人が〜って思ったらドキドキしてしまいました。いいですよね、百地浜!このお話にぴったりで、私も遊びに行きたくなりました☆

私もTBが上手くいきません(><)がーん・・・

麻生さん、これからいろいろ読んでみます!
Posted by miku at 2008年03月17日 22:35
mikuさん、こんばんは♪

ようやく、こちらからのTB成功しました!

>高校生BLに絶対ある初々しい初Hシーンがないのが何とも意外でしたが

そう言われてみれば、他の作品では確かにみなそのようなことが・・・。
そして、それをすごく心待ちにしている自分がいた!(笑)
でも、こういう青い春を謳歌してる恋も、またいいですね〜。
はたからみれば大げさな、っておもえることが、当時はそれが自分にできる最大限の事で。
恋にしても、なんにしても、一生懸命でしたもんね。
私も、大昔を回想し・・・いまのおクサレ具合に涙が出そうです(笑)

麻生雪奈さんは、この作品以外だと「経験」を読みましたが、私はこの「恋をしている君たちへ」が好きでした♪
最近は、あまり本出されてないみたいですよね。
私も、他の作品も読んでみたいんですけど、積読が60冊越えてて、余裕がありません(笑)

コメント&TBありがとうございました♪

Posted by 棗 at 2008年03月18日 18:53
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Excerpt: オススメいただいた麻生雪奈さんです!ありがとうございます!きゅ〜んとするお話です! 高校生ものBL・・・とってもキラキラして眩しかった...
Weblog: BL本の日記
Tracked: 2008-03-17 22:27