2007年11月26日

『コイビト』:椎崎夕



※ネタバレになるかもしれないです・・・。

<あらすじ>
ひとつのドアベル。それが菅谷僚平の運命を大きく変えた。開いたドアの向こうに立っていたのは、3年前に別れた高階とその妻であり僚平の義姉であるいずみ、そしてふたりの子供の翔太の3人だった。僚平と3人の同居生活が始まる。すでに高階との関係は過去のものになっていたはずなのに、彼は僚平にあれこれと手を出してくる。だが、僚平には既に左右田という相手がいた。はたしてこの行方は…。
大学生×大学生モノ。


最近、すっかりハマり気味の椎崎夕さんです。
絶版本だし、Amaz●nでは微妙な値段がついてるし、半ば諦めてた一冊なんですが、幸運にも手に入れることができました。(しかし、もう一冊狙ってるのがあるんですけど、あれは難しそうです・・・)
あああ、なんてことー。
こんないい作品が絶版だなんて(>_<)
是非とも復刊を!!
それにしても、20世紀の花丸文庫は、こんなにも奥ゆかしいものだったのか・・・。
そっちも衝撃(笑)





無垢な高校生だった頃は、狡い大人にいいように翻弄されていた僚平。
痛い別れを経験し、たった三年で立派なツンデレ女王様となり、年下ワンコを足蹴にするほどに(笑)
恋は、人を驚くほど成長させますね。
そして、臆病にもします。
現在の相手、左右田は「コイビト」ではなく、都合のいい相手。
そう言ってはばからない。
高階との痛い過去が影響し、本気にはならないと、自分に言い聞かせている。
そんな僚平の前に、元凶とも言える高階が、妻と子を伴って現れる。
現在の恋と過去の恋が交錯するけれど、高階との関係は完全に終わって過去のものに。
だから、僚平の気持ちは揺らぐことはない、けれど高階はまだ自分を好きだといい、左右田はそんな高階を警戒する。
この高階、自分の言動が元で三年も前に関係が終わっているのに、僚平はまだ自分に気があると思い込み、またよりを戻そうと、しつこく言い寄ってくる。
昔、僚平から大人に思えた男は、全く成長なんかしてなくて、大きな子供のままなんですよ。
あの後、僚平が、大人になったことになんて、全く気付いてない。
自分が、僚平を大人の階段のぼらせてしまったんですけどね、実際は・・・。
それもわかんなくなってる高階は、あの頃のままの何もかも変わらない僚平が、目の前にいると思い込んでる。
だから、あの時のように、自分の思い通りになると。
・・・なんていうか、ちっちゃい男なんですよね、高階。
一方の、左右田なんて、貧乏な大学生で、なんにも持ってないけど、妙に安心させる男というか。
高階と別れ、事故で将来を見失いかけてた僚平の、一番そばにいた存在。
本当に、ただそばにいただけ。
それを追い払うわけでもなく、ずっとそばにおいておいた僚平の本心なんて、バレバレなんだけど、やっぱり現在進行形の関係にあっても、過去の男は嫉妬の対象に。
しかも、高階は、しつこいときた(笑)
そんでもって意外と余裕あるのかと見えかけて、必死なんですよね、左右田って。
ほら、ワンコだから(笑)
いや、年下ワンコ好きには、たまらない子です。
そんな、二人の男たちに、僚平は、振り回されてるのか、それとも振り回してるのか。
振り回してるんでしょうね、きっと。
この先も、思う存分コイビトを振り回してやって欲しいものです。

それにしても、この作品、妙に高階の道化ぶりがおかしくて・・・。
ワンコとツンデレ女王様カップルは揺るぎないものなので、とくに気にかけてなかったんですけど(笑)
高階は、なんなんでしょうね、あの妙に心に引っかかるキャラっぷりは。
決してタイプでも、何でもない、寧ろ嫌いなタイプなんですけど、あーこういうから回りな人っている〜、みたいな変な共感が楽しめたというか・・・。
最初から最後まで、見事に当て馬を演じて下さいました(笑)
自業自得って言葉、身にしみるねえ・・・。

復刊されました!


posted by 棗 at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>椎崎夕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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