2020年11月15日

星に願いをかけるには:イーライ:イーストン




人間に変身することができる能力を持った犬たち(クイック)が暮らす町、マッドクリーク。故郷マッドクリークに戻り、クイックの遺伝子を研究しているジェイソン・クーニックは、「いたわり犬」として多くの人間の最期によりそってきたクイック、マイロに出会う。引き受け人が決まらないマイロを見かねたジェイソンは、彼と同居することに。そんなある日、町に戻ってきたクイックから未知のウィルスの感染が発覚し、保安官・ランスが倒れるー。



なんでだろう、私はジェイソンをずっとnardなもやしっ子だと思ってた。(まあ順調に読み飛ばしてるだけなんだけど)








月吠えシリーズ中、一番の不穏な空気の流れるストーリー、そしてそれぞれのカップルの愛もあふれてる回でもあった。

ジェイソンは最初はあれですね、気難しい天才の見本の様な人。
頭が良くて合理的で論理的、人の気持ちの機微たるものには全く興味を示さない…。
とはいえ、彼は彼なりに自分の研究がクイックたちの将来に役立つと信じていて、そのためにクイックである自分の犬の部分を封じ込め、本能より理性に支配される人であり続けることにこだわる。
人を寄せ付けずただただ研究に没頭したくても、それを許すようなマッドクリークの町(リリーとも言う…)ではない。
都会の研究所で働いていたものの、逃げるようにして故郷に戻ってきたジェイソン、でも彼を迎える町はまるで家族のように受け入れる。
そして、新人クイックのマイロは新しい町で居場所を見つけるのに苦労していた。
保護シェルターで処分寸前のところをホスピスにもらわれ、そこでいたわり犬として働いて彼は、ヒトになりたてのクイックにありがちなちょっと無垢なところがある。
天使や魔法の存在を信じて、星に願いごとしたり。
そして彼にはちょっと不思議な力があって相手の心や体の痛みを感じとることができて、それを癒す手助けをすることも。
超がつくほど現実的で科学的な思考の持ち主のジェイソンとは真反対なんだけど、彼らは成り行きから一つ屋根の下同居をはじめることに。
今回、マッドクリークを謎の病気が襲い、そのために町の人々がそれぞれ力を尽くす。
マイロは、シェルターで自分の命の最後を覚悟して、その後ホスピスでヒトの最後なんどとなく見届けた。
誰より命に対する思いが強いのは当然。
見届けるだけだったときと違って、今は助けることができる力を持っている。
だからこそ、彼は町のためにそれこそ命懸けで立ち向かう。
ジェイソンも、己の知識をフルに使ってなんとかしようとする。
そんな中、ジェイソンの変化は目まぐるしいものがあって、マイロを危険にさらしたくない一心で、なんとか守ろうとしたり、町のみんなのために自分の命を二の次にしたり。
マイロがジェイソンの変化に一役買ってるのは当然なんだけど、やはり故郷のマッドクリークという町の共同体の存在も必要不可欠。
不器用すぎるジェイソンの愛の言葉はびっくりするくらい直球なんだけど、それを後押ししてくれるのは町のみんなだった。
でもそれもこれも、マイロがいたから、ジェイソンと町のみんなの気持ちが近づいたんだろうなって思ってる。

しかし、あの終わりは気になる…。



今作でもリリーは大活躍だったけど、次回作でもリリー様は健在だった。
いろいろ突っ込みたいこともあるんだけど、でもこういう人がいないと、ランスみたいなひとばっかりでも共同体はまわらないから。
とはいえ、ラヴはなんかいろいろ巻き込まれて気の毒だ…と思ってしまったり。

5巻も原書読みたいんだけど、koboだと読めない…。
大人の事情だってこと知ってるけど、だからあきらめてKindle買えばいいって知ってるけど、でもなあって思ってる。
翻訳を待ってます。(切実)

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