2019年06月24日

華客の鳥:菅野彰



「あいつは俺を…恨んでる」。チャイナタウンの片隅で、ハルカはシンと同居しながら、その心のうちを掴みきれずにいる。シンの中に自分への憎しみがあるのではないかと、そう疑ってしまうのは、少年時代、二人が出会った頃のある事件のせいだった。ストリートチルドレンだったハルカが出会った、中国人形のように美しいシン。闇にとらわれたある男の篭の鳥だった彼を、ハルカは自由にしてやりたかったのだ…。バディ・アクション「HARD LUCK」シリーズの、シンとハルの出会いと、その後の物語!!



あっちのブログでも書いたけど、HARD LUCKシリーズで、ずっと気になっていた二人。




昔から自分が感じたこと思ったことを言語化するというのが心底苦手で、当然国語の授業は大嫌いだったわけで。
そんな私が菅野さんの作品を読むと必ず漠然と何かを感じとっていたのだけは確か。
HEA好きの私が菅野さん好きだというと、意外だと言われるほどに、菅野作品は痛みだったりどうにもならないもどかしさだったり、そしてけっして明るいとは思えない未来が思い浮かぶ。
今回、雑誌のディアプラスで菅野さんのインタビューが載ってて、そのなかに「共依存萌え」という単語があって、それが目に入った途端、すべてが腑に落ちた感が。
この出口のない中をもがいている感じ、それはこれだったのかと。
菅野作品に出会ったのって…20代は前半のころ?それからずっとぼんやり感じていた謎がなんかようやく解けた気がする。
それにしてもすごいなと思ったのが、新装版のHARD LUCKシリーズ出たのが2011年で、その時ですでに16年ぶりとか騒いでたわけですよ、私…。
だからまさか本当にハルとシンの話が読めるとは…(失礼)。
一番最初にHARD LUCKシリーズ読んだときから、彼らはずっと気になってた。
だからある意味読むのも怖くって、ちょっとためらったのもあった。
それで今回久しぶりに、菅野さんの作品、というかHARD LUCKシリーズ読んだわけだけど、私が漠然と感じてたハルとシンの関係が思ってたのと全然違う、というのと、久しぶりの菅野作品はやはり菅野作品だったということにつきるかと。
前作読んでずいぶん時間がたってるかなり思い出補正も入ってるだろうけど、でもハルとシンの関係はもうちょっと安定したものだと思ってた。
こんなぎりぎりのところを行ったり来たりしてるなんて思いもよらなくて。
読めば読むほど、シンよりもハルに不安が募ってしまう。
あのむき出しの不安定さがほんとに怖い。
ああいう脆さや弱さを描く菅野さんの作品は読んでいて辛いなと感じることが多くて、しかもその先に見えるものがなくて、途方に暮れる。
だけど読むのをやめることができない。

しかしいつかHARD LUCKシリーズは完結するのだろうか…。
いつかは、して欲しいなあ。

posted by 棗 at 01:00| Comment(0) | BL(小説)>菅野彰 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: