2015年06月12日

狼の見る夢は:J.L.ラングレー

4403560229狼の見る夢は (モノクローム・ロマンス文庫)
J.L.ラングレー 麻々原 絵里依
新書館 2015-06-09

by G-Tools

大学入学でジョージアにやってきたマットは、友人の兄であるオーブリーの家に同居することになった。出会う前からセクシャルな濃密な匂いが立ちこめる。二人はメイトだった。だがオーブリーはホテルチェーン、レイノルズグループの社長で、今後群れの統率者としての責任を負う立場。自分がゲイであることを公にして会社に不利益をもたらすことはできない。マットは静かに状況を受け入れるが、先の見えない関係に次第に持ち前の明るさを失ってゆく。そんなある日、オーブリーのもとに荷物が届いた。中にはマットの写真、オーブリーに対する脅迫だった―。美しき人狼たちのロマンス、好評シリーズ第3弾。


この本の日本語版が読めるのをどれほど楽しみにしてたか…!
しかもサイトにあったSSのペーパーつきとかどんなご褒美。
…これで梅雨でだるだるな気分も吹き飛べばいいさ。





オーブリーはオーブリーであるがゆえの完璧さと不器用さを合わせ持つ、とても困った可愛い人なのです。
レイノルズ家の長男、しかも弟はカミングアウトの末出奔、しかも自分をこよなく嫌っている。
そんな状況下で、オーブリーは自分のために生きるということはなく、自らに課せられた役回りをこなすために生きていると言っても過言ではないのかも。
完璧な息子、完璧な社長、完璧な群れの統率者候補、そんなたくさんの顔を持ちながらもどれひとつ本物じゃない。
まわりを完全に欺いて、理想とされる姿を演じ切って、自分自身すらそのうち上手に騙せちゃうんじゃないかと思えるくらいに、オーブリーは生きてきたのだけれど…。
マットというメイトにそれこそ不意打ちで出会ってしまう。
本能ではどうしようもなく惹かれているくせに、ぎりぎりのところで理性がはたらいてしまう。
オーブリー・レイノルズという役を今更変えることはできない、だから二人の関係は秘密なのだと。
一方のマットは、ちょっと問題のある両親を抱えているという事情も合って、ウソや隠し事がとても嫌いで、とても素直な子。
だからこそ、オーブリーと出会えたことにすごく喜びを感じてるだけに、その関係を秘密にしておかなければならない状況にすごく傷ついてるし悲しんでる。
そしてそれをわかっていながらも、どうしていいかわからずもんもんとするオーブリー…。
これでただオーブリーが、ゲイだということで自分がうしろ指さされるのが堪えられないと言うだけの理由でマットを隠そうとするんだったらやっぱり許せないだけど、そういうのはまったくないって言える。
ただただ、今まで積み重ねたレイノルズ家の歴史や、社長としての責任とか、そういうものにひたすら縛られていて、自分自身の気持ちを優先する術を完全に見失ってる。
どんなに上手に理想の姿を演じていても、やっぱり自分の気持ちを偽れない、だからマットを悲しませてることにオーブリー自身も苦しんでるし、いつかくるだろう別れの日の事を考えては無理だと思ってしまう。
この完璧なまでのお兄ちゃん気質のオーブリーに対して、そんなオーブリーを好き勝手にこき下ろしていたキートン。お願いやめたげて…。
そんなところにもオーブリーの不器用さが現れていて、ちっともスマートじゃないよ!なオーブリーに大層萌えました。

ところで今回読んでて、メイトという関係性の光と影に大層思いをはせました…。
出会えた運命を幸せだと思う一方で…。
あああ難しいな。
でも今一番熱いジャンルはメイトものなので、これからもいろいろ読んで行きたいな。


B004I43GFAWith Abandon (With or Without series)
J.L. Langley
Samhain Publishing, Ltd. 2011-03-22

by G-Tools


ラングレーさんのところの表紙はもうわかりやすく筋肉!なのが多いよね(笑)
ということで、原書の表紙はきっとオーブリーのイメージなんだろうなあ。
でもモノクローム・ロマンスになると麻々原絵里依さんの美しいイラストにときめくなー。
しかし、オーブリー背が低いとか…!でも攻めだし!(リバるけど…)
超萌えたさ!

そういえば、次にくるのは、コーダシリーズではなく「The Gentleman and the Rogue」なのねー。これ読んだけどなかなか楽しかった(でも時代物だからか難しかった…)
モノクローム・ロマンスは本当にチョイスがすばらしいなあ。ディアプラスの読者層にうまいことあわせてるなあって。
ロマンス度が高いよ!
ということで次回も楽しみにしてるよ〜。
そして、雑誌の方もね。
個人的にずっと言ってるL.B.GreggさんのMen of Smithfieldシリーズも読みたいけど、いまちょっと推しの作家さんのN.R.Walkerさんの作品とか翻訳されないかなーとここでひっそりお願いしてみる。


posted by 棗 at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳BL>J.L.ラングレー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック