2015年02月10日

海賊王の死 アドリアン・イングリッシュ 4:ジョシュ・ラニヨン

4403560199海賊王の死 ~アドリアン・イングリッシュ 4~ (モノクローム・ロマンス文庫)
ジョシュ・ラニヨン 草間 さかえ
新書館 2015-02-07

by G-Tools

アドリアンの小説に映画化の話が持ち上がり、出席していたパーティ会場で映画のスポンサーが突然死する。調査にやってきた刑事を見てアドリアンは凍りついた。そこには2年前に終わり、まだ傷が癒えてはいない恋の相手・ジェイクの姿があった。ジェイクの部下はアドリアンに疑いの目を向ける。被害者の体から検出された毒の中に彼の心臓の薬と同成分のものが含まれていたのだ。アドリアンはジェイクの協力を仰ぎながら独自に事件の調査を始めた。俳優のポール・ケインからジェイクとの過去を聞かされ、ざわついた気持ちを抱えたまま。そしてジェイクは2年前に言えなかった言葉を語り出す―。胸に突き刺さる怒りと痛み。相克と再生の第4弾。




アドリアンイングリッシュシリーズも、「天使の影」「死者の囁き」「悪魔の聖餐」ときてとうとう四作目「海賊王の死」。
1作目読んだ時は、全5冊かあ、長いなあと思ってたけど、今はあともう1冊かあ…という気持ちに。
原書も買ってはいるけど、すぐに読むのがもったいない気分がしてる。


※前作までの内容に触れてるので、今からこのシリーズ読むよという方はお気をつけください。


読み出して思ったのは、ああアドリアン変わったなって。
アドリアン視点で語られる話なのに、なんだかとても彼が遠いところにいるような感じがしていた。
彼のまわりには、過干渉気味の家族の存在(しかも増えた)、優しい恋人、仕事仲間、人は溢れてる。
なのにすぐにそばにいる彼らの存在がすごく遠く感じてしまうのは、アドリアンが築き上げてる、見えないけれども高く分厚い壁のようなものが、彼らとの間に存在してるから。
彼らを遠ざけることはないけれど、内側にいれることはない。
彼は今までもすごく孤独を感じさせる人ではあったけれど、今回感じたのは静かな孤独。
アドリアンは、事件にいつだって自ら首を突っ込んで、何かから逃れるみたいに必死になって、そんなエネルギーを感じさせる人ですが、今回はその様子がちょっと違う。
恋人といても家族といても、激しい感情とは無縁のところに立っている感じ。
それはやはり、ジェイクを失ったことともうひとつ、アドリアン自身が抱える問題がそうさせてるのか。
それくらいジェイクというのは、よくもわるくも相手を自分の感情に巻き込んでしまう人。
そんな人だから、アドリアンも全力でぶつからないと、太刀打ちできない。
だから、ジェイクのいないアドリアンって、すごく気持ちの揺れが少ない感じがしてしまう。
2年ってこの二人にとってどんな時間だったんだろうなってほんとに思う。
アドリアンにもたくさん変化があってけど、ジェイクにも変化はあって。
前作で彼が高らかに宣言されたように、彼は普通の人生を謳歌してるはずなんですが、その一方でアドリアンにたいして心が残ってるのは確か。
本当にジェイクには小一時間ほど正座させて説教したくなるほど、言いたいことはあります。
まあひとことだけ言わせてもらえば、その自分勝手な言い分はどうにかしろ。
普通の人生送りたいからケイトとの結婚生活は続けたい、アドリアンにはどうしようもなく気持ちかき乱されるからやっぱり離れたくない。
…って、どんだけ二人に対して酷い仕打ちかわかってる?と思うんだけど、でもこの人こういう変なところでは、自分の気持ちにとてつもなく素直。(でもカミングアウトだけは死んでもイヤだと思ってるくせに…)
どっちも必要だから、どっちも欲しいっていう。
そのバカみたいな本音が、結局ジェイクという人なんですよ…。
社会的には普通でいたいのに、自分が心から欲しいと思える人が普通から自分を遠ざけるというジレンマ。
そこだけ見れば、やっぱりジェイクもすごく悩んでるし苦しんでるっていうのもわかるんですけどね…。
わかるんだけど、納得はできない…。
それに巻き込まれた人たちを思えば、やっぱりちょっと許せんって思うところもあるのが正直なところ。
でも、こんな人だけど、アドリアンにとってすごく大切な人であることは確か。
ガイにもリサにも言わなかった秘密を、アドリアンはジェイクにだけは自分から打ち明けてましたからね。
あんなにアドリアンのまわりを覆っていた強固な壁をあっさり打ち破れるのは、結局ジェイクだけなんだな…。
このふたりにとって2年という年月は、長かったのかな短かったのかな。
どちらにしろ、お互いのことに関しては、変わらずに気持ちがあったことだけは確かなのかな。


あああ、あと1冊で終わってしまうなんて…!信じられないよ。
B006N9XHLQThe Dark Tide (The Adrien English Mysteries Book 5) (English Edition)
Josh Lanyon
Just Joshin 2011-12-16

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最終巻は、邦題が「冥き流れ」になってましたね〜。
今年の年末が発売予定になってたので、それまで楽しみに待っていよう。
ラニヨンさんは、このシリーズのあとは、Fair Playと、Holmes & Moriarityシリーズの翻訳版をぜひ!
The Boy with the Painful Tattoo に関しては、サプライズ!な感じだし、まじでお願いしたいな〜。
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