2015年02月08日

COLDシリーズ1〜3:木原音瀬

COLD SLEEP (新装版) (ビーボーイノベルズ)COLD LIGHT (新装版) (ビーボーイノベルズ)COLD FEVER (新装版) (ビーボーイノベルズ)
「COLD SLEEP」「COLD LIGHT」「COLD FEVER」
事故で記憶をなくした高久透は、友達だと名乗る年上の男・藤島に引き取られる。藤島は極端に無口なうえ、透の「過去」を何ひとつ教えてくれず、透はどこにも居場所がないような寂しさを募らせる。しかし藤島とともに暮らすうち、彼の中に不器用な優しさを見いだして―。過去と現在が複雑に絡み合うあの超話題作の新装版がいよいよ登場!ショート番外編書き下ろし。



どうしてもフェアでもらえる小冊子が欲しかったので買ったはいいが、積みに積んでたこの本…。
ようやく日の目を見た!




読むのに自分を試される感の強い木原さんの作品で、しかも前評判だけは散々聞いてたこの作品、意を決して、というほどでもないんですが、なんとなくタイミング的に今読みたいと思えたのでようやく手に取りました。
結果として、自分が想像してたほどの読後感の悪さは全くなくて、実はかなり驚いたのです。
とはいえ、巻を読み進めるたびに、作品もキャラクターも印象ががらりと変わり、とても辛い気持ちになったり、やるせないものを感じたりはありました。
これしか言えないのもアレなんですけど、やっぱり木原音瀬さんはすごい作家さんだなと。
最初、記憶を失い不安な気持ちを抱く透視点で話が進み、まるでよくわからない藤島という男がなんか怖いんです。
透の過去のことを知ってるにも関わらず、何も教えてくれない、でもすごく手厚く保護してくる。
なにこれ?と感じつつ、次に進むと、藤島視点で語られる、二人の過去。
はっきり言って、想像以上の過去でした。
なにかあるんだろうなということは匂わせてましたけど、さすが木原さん…としかいいようのないパンチの効き方で、これでもかと繰り出される真実が一つどころか何コも…。
HPゼロになりそうだった…。
それくらい、記憶を失ってる現在と、紛れもない事実として存在する過去の強烈さ。
なのに、二人の間に生まれてしまったある感情。
藤島の心情を思うと、何ともいえない…。
なのに、運命は残酷で、透は記憶を取り戻してしまう。
記憶を失っていた時のことをすべて忘れて。
肉体的にも精神的にも傷つく藤島を見ているのもとてつもなく辛い。
でも、あんな透にもつき放せないものを感じてしまいます。
自分の知らない自分を求められてると感じてしまう透のあの孤独と苛立ち、葛藤そんなやるせない感情が溢れ出すシーンは、すごく苦しかった。
そんな彼の抱える孤独の深さ、それを一番理解してるのが結局のところ、藤島だったんですよね。
だから、藤島も、なにがあっても透から離れられなかったのかな…。
いやだからといって、透のすべてが許されるって訳ではないんだろうけど、うーん…。
そこは複雑かな。

そういえばもう一組のカプもなかなかいい感じでしたね。
谷口って、口が悪いし恋人にものすごい甘くて優しいってタイプに見えなかったんだけど、写真はすごくあったかい感じっていうから、もしかして中はすごく情の深い人なんだろうね。
…でも黒川、面倒くさそうな恋人だな(笑)



posted by 棗 at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>木原音瀬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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