2007年05月06日

エンドレス・ゲーム:月村奎



<あらすじ>
十四歳のとき母を亡くした誓史は、弁護士の佐伯に引き取られ、一緒に暮らしている。優しい佐伯は、誓史の母が亡くなる間隙、籍を入れるだけの結婚をして、行き場を失った誓史を迎えてくれたのだ。以来、誓史は佐伯への想いを隠して、偽りに満ちた家族ごっこを四年間続けてきたが、それはあるきっかけから綻びを見せ…!?表題作を含む三篇に、新たに書き下ろし二篇を加えた月村奎の人気作。
弁護士×高校生モノ。


GWも終わりましたね(泣)みなさまいかがお過ごしでしょうか・・・。
明日からのことを思うと、憂鬱で憂鬱で、すでに五月病発症(笑)
せっかくの連休なのに、あまり積読の山を崩すことができず、どちらかといえば、再読が多かった気がします。
そのなかでも、特にこの月村奎さんの「エンドレス・ゲーム」は、よかったです〜。
やっぱり、月村さん、好きだー。
そして、自分が、いかにオトナ×コドモモノが好きか、思い知らされました(笑)
腐女子に舞い戻って、最初の頃に読んだんですよ、この本。
・・・うーん、気がつかないうちに、DNAに組み込まれてますね。




いきなりなんですが、犯罪ですよね、佐伯。
中学生のチカに、一目ぼれって(笑)
そんなわけで、病床にあるチカの母親と偽装結婚をし、彼女が亡くなった後には、チカを引き取るという、とんでもない技を使って、自分の手の内に収めてしまう。
オトナって、こういうところが、変に巧妙すぎて、伝わらないというか・・・。
それがすべての回り道の原因にもなるんですけどね(笑)
母の死後、居場所をなくしてしまったチカは、佐伯のことを本当にありがたく思っている一方、恋心も抱いてしまう。
佐伯がゲイだという話は、偽装結婚をするときから知っていたものの、その時は自分の気持ちになんて全く気付いてなくて。
いざ一緒に暮らしだして、あることがきっかけで、佐伯に触れられはじめて、自分はこの人が好きなんだと知ってしまう。
でも、佐伯は恋人を作ってはチカに見せるし、チカみたいなコドモはタイプではないから手を出したりなんかしないと宣言はされてるし、最初っから勝ち目のない恋愛をしてるんだと思い込んでしまう。
だから、佐伯のそばにいられればいい、家族だったらそばにいられる、だから自分の気持ちにフタをすればいい。
そう思って、家族ごっこを続ける道を選んでしまう。
そばにいても叶わない想いならば、いつか忘れることができるかもしれない、そう思っても好きな気持ちはうすれるどこらか、募る一方。
それならばと、離れる道を選ぼうと一人暮らしがしたいと、佐伯に告げると、反対もされず、引き止めもされず、あっさり賛成されてしまう。
・・・佐伯、大バカモノ(笑)
確かに彼にも、彼の言い分もありますが。
佐伯自身、ずっとチカへの思いを抱えて、一番近くにいるのに、なにもできず、家族ごっこを続けてるわけだから。
そこで、変に反対することもできなくて。
・・・なんて不毛な、二人。
最初、佐伯がチカに触れて、チカはものすごい拒絶をする。
チカは、これ以上触られたら、自分の気持ち隠し通せる自信がなくて。
それを、佐伯は、ゲイに対する完全な拒絶だと思ってしまう。
そんな勘違いから、お互いが、家族ごっこをはじめてしまう。
それが四年。
おそらく限界ギリギリのところで、収まるところに収まったかなと。
本当に家族になったというより、フウフです、この人たち(笑)
新婚さんいらっしゃい・・・。
その後に入ってる、チカちゃん大学生編では、オトナの嫉妬丸出しの佐伯が見れて、私は愉快でたまりませんでした(笑)
余裕のないオトナって、かわいくて大好きなんですよ。
でも、この話、本気で泣きもしたんですけどね。
あんまりにもチカのセリフが切なくて。
月村さんの、こういう繊細な、人の気持ちの変化は、きますね。

そして、佐伯の恋人として登場した櫻井さんのお話。
教え子×高校教師。
・・・一冊で、二度オイシイ本です(笑)
しかも、さすが月村さん、と唸りたくなる、櫻井の設定。
幼い頃に、双子の片割れを亡くしてしまい、できのよかった彼の代わりに自分が・・・と思い込んでいて。
それにともない、家族、とくに母親からの異常なほどの干渉と期待と。
そして、大学時代に、亡くしてしまった、大事な親友であり、想っていた相手。
そんな親友と同じ名前の生徒を教室に見つけ、つい目で追ってしまっていた櫻井。
そんな視線に、紺野も気付いて・・・。
紺野は、家庭の事情で、学校をやめ、遠くへ引っ越すことに。
そんな二人の、東京駅での別れのシーン。
どっちがオトナで、どっちがコドモなんだか・・・。
あの日、自分の半身を亡くした時から、泣き方がわからなかった櫻井が、本当に子供みたいに、紺野にすがって泣いてるシーンは、なんかよかったねと思ってしまいました。
やっと自分の気持ちを解放することができたんだなと。
その後、遠距離恋愛に突入する二人だけど、それでもずっとうまくやっていけそうな雰囲気でよかったです。

それにしても、月村さんは、新作でないんですかねー。
秋霖の続編の話とかどうなっちゃったんでしょうね・・・。


posted by 棗 at 21:16| Comment(4) | TrackBack(1) | BL(小説)>月村奎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おぉぉ月村さん!!
と言うこと(?)で、いてもたってもいられずTBさせて頂きました〜^^
いやぁ、ホント月村さんはいいお話書きますよね。(しみじみ)
そして、

>・・・一冊で、二度オイシイ本です(笑)

まさしく!!
私も同感です。自分の時もそうUPしてました(笑)

本当に新作が待ち遠しいですよね〜。
「WISH」が出たノリで、新作も一発欲しい所です。
Posted by 美鳥 at 2007年05月14日 20:02
美鳥さん、こんばんは♪

なぜか突然読み返してしまいました、この本。
そしてやっぱり「月村さんはいい・・・」と再確認でした。
だからこそ、この頃新作が出ないのが、悲しいです・・・。
でも、雑誌でお名前見かけるので、書かれてはいるようですよね?
今年は、せめてあともう一冊は読みたいです・・・。

TB&コメントありがとうございます〜。
Posted by 棗 at 2007年05月14日 20:12
初めまして、こんにちは!
月村さんのお話いいですよね〜。
この本、よく読み返すのでおもわず書き込みしました。

>オトナの嫉妬丸出しの佐伯が見れて、私は愉快でたまりませんでした(笑)
愉快…そうですよね〜!
読み返してみると、ずいぶん分かりにくく独占欲を発揮してて
二ノ宮さんじゃないですが、微笑ましいですv

その前も
「手元において毎日眺めてるだけでも〜結構楽しかった」
とか言ってますが、余裕綽々な態度の裏で、
日々ジレンマに陥ってたんでしょうね。
その割にあれこれちょっかいかけて、チカちゃんを困らせてましたが(笑)

>本当に家族になったというより、フウフです、この人たち(笑)

新婚さん…思わず笑ってしまいました(*^_^*)
チカちゃんは無自覚に、佐伯さんは確信犯でやってますね〜。
この辺は佐伯さんの長年の努力のたまもの?(笑)


新作…私も読みたいです。
それがダメなら、せめて単行本未収録分だけでも本にしてもらいたい!
(もちろん書き下ろし付きで)

それでは長くなりましたが、この辺で失礼します。
Posted by 深月 at 2007年05月21日 18:47
深月さん、はじめまして、こんばんは。
月村さんお好きなんですね?
同志発見で、大変嬉しいです。

この話、好きなのにしばらく寝かせていて、ゴールデンウィークに、ほんとうに久しぶりに、再読いたしました・・・。
涙腺直撃のシーンがあって、辛くてなかなか読み返せないんです、ヘタレなもので(笑)

オトナの独占欲って、あの分かりにくさが、私はけっこうツボります。
とくに、佐伯みたいに、わりとなんでも器用にこなすオトナが、あんな年下のコドモにほんとに右に左にと振り回されてて(笑)
楽しくてたまりません。
チカは、自分が佐伯にいいようにされてると思い込んでますけど、実際逆ですよね。
まさに、無邪気さの勝ち。
・・・テニスコートに乗り込んできた佐伯なんて、ホントただの嫉妬に狂うただの男でしたね(笑)

新作は、ホントに待ち遠しいですよね。
そして、私は、単行本派なので、ぜひとも単行本未収録作は、カタチにしていただきたいと、切に願ってます!
・・・とにかく、月村さんの作品が読めれば、なんでもいいんです。

こちらこそコメントありがとうございました。
また、遊びにいらしてください。

Posted by 棗 at 2007年05月21日 21:29
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月村奎さん 「エンドレス・ゲーム」
Excerpt: 記念すべき一発目!(笑)にオススメしたいBL作品は、BL小説を読んでいる方なら誰でも知っている月村奎さんの「エンドレス・ゲーム」です。 オビ:「家族のままでもいい、ずっとそばにいたい。」 ..
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Tracked: 2007-05-14 19:57