2013年12月15日

死者の囁き アドリアン・イングリッシュ 2:ジョシュ・ラニヨン

4403560164死者の囁き ~アドリアン・イングリッシュ 2~ (モノクローム・ロマンス文庫)
ジョシュ・ラニヨン 草間 さかえ
新書館 2013-12-07

by G-Tools

行き詰まった小説執筆と微妙な関係となったジェイク・リオーダンから逃れるように、祖母が遺した牧場へとやってきたアドリアンは道ばたで死体を発見する。だがその死体は保安官が来た時には跡形もなくなっていた。敷地内のスパニアード・ホロウ峡谷では学者たちによる発掘作業が行われていたが、謎の呪文や飼い犬の変死にスタッフは不安を覚えている。そして牧場の郵便受けにはガラガラヘビが。これは谷の安らぎを守る「ガーディアン」の呪いなのか?アドリアンを追ってやってきたジェイクとの関係も事件を通してゆっくりと動き出す、シリーズ第二弾。



1巻の表紙だとまだ背中合わせで表情の硬い二人ですけど、2巻の二人はすごくいい感じ。封入ペーパーのイラストもとっても素敵だし。
1巻と2巻、同時発売していただいて本当にありがたい!
ただ続きが出るのがまだまだ先になりそうなのがつらい〜。
これは原書読んで予習しましょうということだと信じて「The Hell You Say」をぽちっとな。



ジェイクとの関係に疲れ小説の執筆もうまくいかず、本屋の仕事を放り出して、田舎町の牧場に逃れてきたアドリアンは、そこでまたしても事件に巻き込まれることに。
前の事件から2ヶ月、ジェイクとの関係は、ただの刑事と容疑者からは随分変わってはいるものの、でもアドリアンの求めてるような関係とは違う。
アドリアンのような生き方をしていないジェイクには、本気で誰かに向きあうのはすごく難しいことなんだろうと思う。
自分で、自分の性癖を完全に否定してるくらいだから。
だからこそ、アドリアンを求めているようで、触れることもままならない、会うことにも躊躇する、アドリアンが見切りをつけたくなるのも当然。
でもアドリアン自身も、ジェイクとの関係をそう簡単に終わらせられないところまできている。
だからこそ、田舎町に逃げ出そうなんて思ってしまう。
ただ皮肉なことに、そのジェイクからの逃走のはずが、事件の渦中へと放り込まれることによって、彼を引き寄せてしまうことに。
そこでまたとんでもない事件に巻き込まれたりはしたものの、彼らが住んでいる場所から遠く離れたここでは、ジェイクはちょっとだけ自分を自由にしてる。
一方のアドリアンも、ジェイクの存在が自分の中でどんなものなのかをあらためて感じることに。
アドリアンは、自分自身の命について軽んじてるわけではないけど、達観した考え方を持ってる。
だからこそ、前作の「天使の影」であんなことになってしまったんだろうけれど。
そのアドリアンが、ジェイクの身が危険にさらされたことに、酷く動揺してしまう。それこそ自分の身体が危険に陥るほどに。
だけど、持ち前の好奇心をなくすことはできず、あいかわらずホームズをしてしまう…。
それがジェイクをむちゃくちゃ心配させてるってわかってるのに、あんまり真剣にとらえてない感じ。
だから当然のように進んで事件に首を突っ込んでは、大変な目にあってる。
二人とも、多分根本の部分はそうそう変わってないはず。
人はそうそう簡単に変われるものではないし、しかも長い時間をそうやって生きてきた大人な二人だから。
とくに、ジェイクみたいに、自分を抑えこんで嘘でかためて、そうすればいつかその嘘が真になるんじゃないかと考えてるような人は特に難しい…。
だからといって変化がなかったわけじゃない、今まで気付けなかったことには気付いたんじゃないのかなと思わせる二人。
でもあっさりめでたしめでたしってことにはならないんだろうな、きっと。
そこまでしておいてその発言はどういうこと?!と言いたくなるくらい、とても普通に最低な男、ジェイク…。
それに怒るけど、上手く受け流すことができるアドリアン。
このゲイである自分自身との向きあい方の違いが、今後の二人の関係にどんな影響があるんだろう…。
しかし、ご飯食べて寝て遊んで仕事して、そして誰かを好きなって…そんな普通の人生を送ってるはずの彼らなのに、どうしてこんなにも困難で複雑なんだろう。

ところで、1巻であったあの事件が、やはり彼らに深い影を落としてたんだなと…。
最初に読んだ時から、その場面は自分の中で衝撃が強すぎた気がする。
アドリアン自身忘れたいと願っていることなだけに、お互いにそのことに触れることもずっとない。
でも読んでた私にはすごく気になってた部分なので、そのことを語るシーン読めたのが嬉しかった。
死の恐怖を感じてる最中での、たったひとつの希望がジェイクの存在だった、それを告げるところはやっぱりよかった。
決して楽しい話ではないんですけどね…。
でも、よかった…!


原書の『A Dangerous Thing』。
そういえば日本語のタイトルってどうやって決められてるのかな〜と気になってるこの頃。
B0081C8RU4A Dangerous Thing (The Adrien English Mysteries)
Josh Lanyon
Just Joshin 2012-05-07

by G-Tools


ところで、帯を読む限りだとモノクロームロマンスの2014年の刊行予定は3冊だけなんでしょうか…?
雑誌に短編載ったりしないのかしら。
できれば毎月読みたい〜とか思うけど、そんなことになったら、きっと冬斗さんが大変なことになってしまう…。
最初は次があるかないかわかんなくて不安だったけど、次があることがわかったら、どんどん読みたくなるんだよねー。
贅沢すぎるかも。
でも、次はレミが来るからそれもまた楽しみ(*´д`*)

この記事へのコメント
1巻ではあまりでてこなかったジェイクが、2巻ではぐぐっとでてきましたね〜。
「フェアゲーム」や「ドント・ルック・バック」のキャラ達は自分がゲイであること否定していなかったですが、ジェイクは…。
自分がゲイであることを憎悪し嫌悪することはジェイク自身そしてアドリアンをも傷つけることで悲しい。
本当「ご飯食べて寝て遊んで仕事して、そして誰かを好きなって…そんな普通の人生を送ってるはず」なんですけどね。
社会で普通でないこととされバッシングを受けることの恐怖を想像すると、ジェイクも本当つらいんだろうなぁと。社会(環境)がもっと違っていたらジェイクもこんな風じゃなかったんだろうなぁと思うと、90年代から今が少しでも変わってるといいなぁと思います。
そんなジェイクがアドリアンに惹かれこれまでの他の男性達とは違う付き合い方をするようになりましたが、まだクローゼットの関係のまま。人は変われるのか?冬斗さん曰くこのシリーズはアドリアンだけでなくジェイクの物語でもあるらしいので、続刊を待ちたいです。

私も1巻のあの事件に2巻で触れてくれてよかったです。ジェイクは優しいところがあるんですよねぇ…。これはアドリアンも惹かれちゃいますな…。

冬斗さんのtwitter情報によると、雑誌は年2回の予定らしいですよ。
2014年の刊行は3冊よりもっとあると思いたいですね…!
あ、これもtwitter情報ですが、フェアゲーム続編の原書が2014年後半に発行予定だそうですね(今度はタッカーのことがもうちょっとわかるらしいです)。フェアゲームはこのBLがやばい!にも14位でランクインしたし(祝!)、でたら早く翻訳されてほしいです〜!
Posted by はるまき at 2013年12月15日 09:38
はるまきさん、おはようございます!
いつもコメントありがとうございます!!!
2巻でお話がすごく展開しはじめた感じですよね。
まだ何も起こってなかった二人の関係が、ぐっと近づきましたし。
しかし、ジェイクの問題は根深いですよね…。
アドリアンに投げつけた暴言の数々は、ゲイを否定し、アドリアンを否定し、結局自分自身を否定してる。
表面的には上手く行ってるようにみえても、まだまだ乗り越えるべき壁があるんですよね、きっと。
この辺の問題は、時代背景とかお国柄とかいろいろあって、簡単に自分の考えを変えることはすごく難しいでしょうね。
でもこの二人にはうまくいって欲しい〜と切に願います。
あんなに惹かれ合ってるのに!
アドリアンの物語でありジェイクの物語であるこのシリーズ、本当に続きが楽しみですね。

ジェイクはゲイであることにたいしてすごく攻撃的になることもあるけれど、基本的には優しい人ですよね。いつでもむちゃばっかりするアドリアンのことを心配して…(なぜアドリアンはそこを反省しないんだ…)。
あの事件の時も、最初から最後までずっとアドリアンの身を案じてましたから。
ジェイク、いい奴なのに、最低だなんて!
でもアドリアンはそんな彼にどうしようもなく惹かれてますよね。

twitter情報!ありがとうございますー。(アカウントないと情報収集に支障をきたしてる気がしてきました…)
雑誌は年2回なんですね。それで充分、ゼロよりずっといいです(*´д`*)
本の方も今までが一度に2冊刊行だったので、2014年が全部で3冊ってなると、なんかちょっとしょんぼりですよね…。(いやいや無理を言ってはいけない…)
それと、フェア・ゲームの続編ですって!?
ヒーロー・タッカーが帰ってくるんですね〜しかも来年後半!
そのころにはもうちょっと英語力上がってたらいいなーと思いつつ、今積んでる本をじっくり読んで楽しみに待ってます。
でも、翻訳されるのが待ち遠しいです。

このBLがやばい!14位!!!!!すごい嬉しい!
Posted by 棗 at 2013年12月15日 10:25
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