2013年09月23日

優しいプライド:砂原糖子

434482928X優しいプライド (幻冬舎ルチル文庫)
砂原 糖子 サマミヤ アカザ
幻冬舎 2013-09-18

by G-Tools

病院で目覚めた志上里利は、自分が中学時代の同級生・保高慎二の乗る車に撥ねられたのだと知る―十年ぶりに再会した保高は、その病院の研修医だった。利き腕を怪我して不自由なところを、保高の部屋に招かれ甲斐甲斐しく世話を焼かれる志上。保高のことが気になりながらもつい反発してしまうが…。書き下ろし短編も収録。



砂原さんの2002年の作品の復刊!




あらすじを読んで、私好みの同級生の再会ラブね!と軽い気持ちで読みはじめたんですが…。
想像以上に、主人公の志上里利がいろいろのなものを背負いすぎていた。
それと同じ様に、保高慎二も。
大なり小なり、人は何かを抱えていてそれはどれが一番痛くて、どれが重たくないだなんて決めつけることはできない。
人それぞれに質が違って、そしてまた抱える人によって感じ方もさまざまで。
でも里利の背負わされたものの大きさはなんて言っていいのか…。
本人が好き好んで背負ったものではなく、生まれた瞬間運命づけられた大きすぎるもの。
でもその重さを感じないよう、少しでも軽くしようと生きていた里利に、一気に背負わせる最後の一押しになったのが保高のとった一つの行動。
それから10年がたち、中学生は大人になり、奇妙な縁で再会を果たすことになり、しかも何の因果か同居まですることに。
里利はとにかく保高のなにもかもが気に入らなくて反発したり八つ当たりしたり、過去の遺恨もあるから穏やかに…というのは当然無理なわけで。
一方の保高といえば、そんな里利をなんとか受け止めようと、むかしみたいな人当たりのよさで里利の言葉全部聞き入れる。
里利は当然保高がいやでしかたがなかったけれど、利き腕の自由を失い、仕事もなくしそうになり、家も…何もかもが自分の手の中から消えていくなか、残ったのが保高だけ。
自分から大事なものを奪った人であるけれど、最後に残った存在が彼だけというのも皮肉な話で。
そして、保高の彼女の存在が、二人の関係を変えていくきっかけではあります。
とてもしたたかで、でもすごくわかりやすい彼女は、ある意味里利にすごく似ている。
…お金のためなら、なんでもしようとするところなんか。
でも、二人とも、最終的に選んだ答えは同じだったのかもしれない。
お金よりずっと大事なものを見つけてしまったら、もう手放せない。
幸せになるんだよ…とすごく言ってあげたい二人。
posted by 棗 at 16:07| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>砂原糖子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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