2013年09月05日

雨の下の君に捧ぐ:千地イチ

4812493854雨の下の君に捧ぐ (ラヴァーズ文庫)
千地 イチ 國沢 智
竹書房 2013-03-25

by G-Tools

順風満帆、今が楽しけりゃそれでいい。毎日をだらだらと適当に送っている美容師・二戸島由有の快適な生活は、ある日、店の異動を命じられ激変する。異動先には、二戸島が最も会いたくない先輩、橋本すばるがいるのだ。「いつも楽そうにやっていたお前が、困ってる姿を見るのは楽しい…いいザマだな」。『美容師界の王子』と呼ばれ、メディアでも人気絶頂のすばるは、何故か「王子」の仮面を二戸島の前でだけ外す。地味で暗かった過去とまったく違い、傲慢で美しく変貌したすばるに、過去の「秘密」を握っている二戸島は、巧みに飴と鞭で翻弄されてゆき―。



ちょっとブーム到来中の、千地イチさん。



なんとなく、こうチャラチャラした男が出てきて、かる〜い恋愛しそうだという思い込みが長いことあったんですが、読むと全然。
確かに、最近の若い子(笑)だなー、昭和の人には眩しいわ〜って気にはなるんだけど、だからって異星人みたいにかけ離れた感性の持ち主が出てくるわけでもなく…。
とはいえ、作家さんご自身もまた、すごくお若い方なんだろうと勝手に思ってる。

高校時代キスした相手と、仕事で再会。
その時、なんでキスしてしまったのか、どうして相手はキスを許したのか、わからないまま時間だけが流れて、お互い大人になって。
バスケ部の先輩後輩の関係は、仕事の先輩後輩の関係に。
しかも、あのとき無口で目立たなかった先輩は、すっかりキャラが変わっていて…。
普通の再会モノで、お仕事モノとしてもおもしろいんですけど、やっぱり今回は仕事に対する姿勢というか、なんというか…。
前に他の作品読んだ時にも思ったんですが、恋愛部分以外もすごく読ませる作家さんだなーと。
今回は特に、二戸島が同じ美容師という仕事につきながらも、全く毛色の違うお店に異動になって、そこでまた成長していくわけですけど、そこは読んでて身につまされるというか。
やっぱり人は楽なほうへ流されていくわけですよ。
二戸島も自分にあったお店で、自分をかえることなく自然体で楽しく仕事してた場所を、上の方針で異動になるわけだけど、最初はやっぱり悪戦苦闘するわけです。
慣れ親しんだ場所を離れるのは覚悟が必要だし、全くの新しい場所でまた自分を成長させるのもすごく大変。
そういう仕事に対する姿勢というか、生き方全体にも言えるのかもしれないけど、挑戦していくって、難しいけど、でも達成感はあるんだろうな。
それにしても、二戸島はそういう意味では、あえて試練を与えられるわけだけど、それは将来有望ってことだし、人から好かれてるってことでもある証拠。
彼は、年上からかわいがられるタイプだよな…。
二戸島の成長は顕著ですよね、お店の異動でもがんばれるし、ましてや学生の頃よりは随分かっこよくなったんじゃないかな。
でも一方のすばるは、キャラを変えることでわかりやすく変化してるけど、その内実は…?
学生の頃よりは、着実にしたたかになってるのかもしれないけど、恋愛に関してはどうなんだろうね。

posted by 棗 at 07:52| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>イロイロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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