2007年01月29日

わけも知らないで:久我有加

わけも知らないで
久我 有加著
新書館 (2005.9)
ISBN : 4403521142
価格 : \588
通常2-3日以内に発送します。



<あらすじ>
彼女に振られ、バイト先が倒産、不幸続きの倉持哲哉は、居酒屋でやけ酒を飲んでいた。
隣り合わせたのが、妙にいい身なりをした、遠山育。
アルコールの力もあり、つい絡んでいまう。
そんな最悪の出会いをした二人。
ある雨の日、傘も差さずに線路脇にたたずむ育を、放っておけずに部屋に連れ帰る哲哉。
そして、遠山が、妻子ある男と付き合っていることを知り、彼にいろいろ関わっていくうちに・・・。
大学生×大学生モノ。


関西弁×標準語カップルって!(笑)
さすが、久我さん。
とはいえ、久我さんの作品は、これで三作目。
そして、あまり大きな声出は言えないけれど、長いこと積読だった一冊・・・。
そして、いつものセリフを叫びそうに(笑)




同級生カップルですね。
なのに、この全然生活能力の差の激しさは一体・・・。
三人兄弟の一番上で、自分のことは自分でできて、お金はないけど、情だけは山ほどある男、倉持哲哉。
仕事の忙しい両親に、愛されたという実感がもてないで、お金だけはあるけど、中身空っぽの遠山育。
そんなふたりの恋愛には、大きな壁があるのです・・・。
そう、これがもう、ダメ男の代表のような男、典之。
彼は、もともと育の家庭教師として、育の元にやってくるのだけれど、完全に育を自分の意のままになるよう育ててしまう。
育に近づいてくる子たちは、みんな、育のお金が目当てだから、付き合ってはダメだ、といって、どんどん育の世界を小さく小さくしていってしまい、育にとっての世界は、結局典之だけになってしまう。
・・・その結果、典之にとって、育は大事な金づるであり、性欲処理の道具。
なのに、育にとっては、典之は世界でただひとり自分を愛してくれる人で、大切なひと。
だからお金を貸して欲しいといわれればだまって出すし、結婚もして子供もいるのに、あれは形だけで愛してるのは育だけだと言われれば、信じてしまう。
誰の目からみても、育が騙されてるのは明らかで、なぜ、それに気付かないんだと、こちらとしては怒りたい・・・(笑)
その分、哲哉が、十二分に怒ってはくれますが。
それほどに、閉じられた世界を生きる育を、外に連れだすのが、哲哉なのだけど、彼って、ちょっとがさつで大ざっぱだけど、人に対してこまやかな配慮もできる男。
最初の頃、まだ自分の気持ちに無自覚だった哲哉が、具合の悪い育の元を尋ねる。
育の元には典之がきているのだけど、それはお見舞いなんてものではなく、単にヤリたかったというだけで、育の体調なんてまるでおかまいなしにやることだけやったらさっさと帰ってしまう。
そんな酷い扱いを受けた育を、哲哉が面倒見るところが、すっごく哲哉っぽくて、いい・・・。
しかし、本当にこの二人は、同じ年なのか?
と、問いたくなるほどの、精神年齢の差は激しい。
でも、それでも、自分の知らなかった世界が、まわりにあることを知った育は、哲哉に追いつこうと、時々ムリしたりしながらも、着実に前に進んでいくわけで。
なんか、もう大丈夫だなーって。

話の中で、哲哉に向かって「育の人生を引き受ける覚悟があるのか?」という、典之の、どーしようもなくバカな質問があるのだけれど、私は、そんなこと考えてたら、誰とも付き合えんだろ、ばっかじゃねーの、と心底思った。
そしたら、彼のヨメは、そんな出来損ないの男の後始末を引き受けた。
・・・この人には、あったんだろうよ、そういう覚悟が。
でもね、こういうどうしようもない男を、甘やかすと、もっとどうしようもない生き物になってしまうのではと、いらんことを思った。
っていうか、人の人生、いろんな意味で壊してた人が、最終的に救われたら・・・なんか釈然としないんだけどね(笑)
posted by 棗 at 17:53| Comment(2) | TrackBack(0) | BL(小説)>久我有加 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こちらにも遊びに来てしまいました。
私もBOOKO●Fで購入後,長い間積読状態の本です。
棗さんの感想の1段落だけを読んで,わ,わたしも早く読まねば!!
と思いました(笑)

先日何ヶ月も積読だった『キスの温度』をようやく読んだところです。
久我さんの作品は大学生など若い人たちの心の動きを繊細に描いたピュアなものが多いですよね♪
と言いつつ私もまだ数冊しか読んでいませんが…
『短いゆびきり』もせつなくて良かったですよ〜。
ぜひ読んでみてくださいませ。
では♪
Posted by ユキ at 2007年01月29日 22:58
いらっしゃいませ、ユキさん♪

「わけも知らないで」は、おすすめですよ〜。
積読なんてもったいない、ぜひぜひ読んでくださいねー、と自分のことを棚に上げ何を言うって感じですが(笑)
久我さんていうと、関西弁(笑)とピュアって感じですよね。
はたして自分が、こんなに正直に恋愛したことあったかなあと、遠い目をしてしまいたくなります・・・。
私は「短いゆびきり」気にはなりつつも、手を出していません。
これもまた、お買い物リストに入れてしまいます。
ではでは♪
Posted by 棗 at 2007年01月30日 20:13
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