2007年01月09日

眠り姫からキスを:花川戸菖蒲

眠り姫からキスを
花川戸 菖蒲著 / 角田 緑イラスト
ワンツーマガジン社 (2006.2)
ISBN : 4903012344
価格 : \900
通常2-3日以内に発送します。




※ネタバレです。

<あらすじ>
旅行会社の営業マン・栖原櫂は、ある日、黒髪の印象的な青年・一之瀬舟に出会う。
ひとめぼれしてしまった彼に会いたい一心で、彼の勤務する図書館に通いはじめ、必死のアプローチが実り、デートに誘うことに成功するが・・・。
旅行会社の営業マン×図書館司書モノ。


2006年から、大絶賛ハマり中(笑)花川戸菖蒲さんです。
・・・いかーん、花川戸ワールドに、夢中。
いやもう、花川戸さんの書く攻くんは、どうしたらいいんだというくらいの、いい奴っぷり。
優しくて、マメで、誠意があって、家事が得意で、えっちの無理強いはしない(笑)、そしてなんてったって極甘。
それでも、いい人、いい人、どうでもいい人♪にならないところが、ミソですね。







この作品の攻くんこと栖原は、今まで読んだ花川戸作品の中で、個人的に今、一番いい奴の称号をあげたい男。
それもこれも、受ちゃんの一之瀬が、花川戸作品史上最大級(今のところ)の不思議ちゃん。
タイトルにある”眠り姫”は、スリーピング・ビューティの意味ではなく、他人に何かされても全くわかっていない様が、まるで眠り姫。
そう、彼にとって他人はそこにいても、いないと同じ。
そんな一之瀬と、恋愛しようっていうんだから、栖原は、すごい(笑)
普通、途中で投げ出してしまうような気がするんですけどね、そんな相手だったら・・・。
それをまた、献身的に世話する姿は、まるでオカン!
そんな栖原の、育成系BL(笑)
人間になりたいー、じゃなくて、人間にしたいーって感じ?

基本的に、パーフェクトな一之瀬、自分でできることはすべて自分でやる、がモットー。
自分ができるから、ほかの人もできるはず、そういう感覚で生きてるものだから、誰かが困ってるから、ちょっと助けるとか、手伝うとか、そういう概念、全くナシ。
そんなだから、職場でも浮いていて、いないものとして扱われていても、気に病むことは全くナシ。
その上、他人もだけど、自分だって大事にできない人。
なーんか、中身がない感じ。
・・・病は深い、っていうのかな、こういうの。
そんなことはツユ知らず、いわゆる一目ぼれしてしまった栖原の、バレバレすぎる、でも全然伝わっていなかった、アプローチ。
そして、すさまじいアタックで、恋人になった(と栖原だけが思った)ので、えっちになだれこんだふたり。
でも、結局、一之瀬は栖原さんがしたければ、どうぞしてください、な状態。
っていうか、据膳っていうか、バイキングの料理か何かですか、あんたは・・・。
お好きな時に、お好きなだけ、お好きなものをどーぞーって・・・。
そんな一之瀬にたいして、何か気付きはじめた栖原、結局、しないんですよね。
一之瀬が本当にしたいと思うまでしない、と。
それからのふたりって、オカンと子供(笑)
それはもう、根気よく栖原は、一之瀬に他人というものの存在を教えていくのだけど、・・・一之瀬、ありえん(笑)
栖原は、一之瀬のことを、普通の両親に普通に育てられたというけれど・・・いや、そりゃないだろうよとつっこみたくなるほどの、変な方向向いてる自分主義者。
大体、そんな不思議ちゃんだったら、親は気付いてると思うよ・・・。
でも、やっぱり、栖原の愛はすごくて、精いっぱい愛情かけてただけあって、たった一週間、仕事で一之瀬の側を離れただけで、一之瀬は「寂しい」って感情を生んでしまうのだから。
側に誰かいなくても、自分一人でなんでもできてきた一之瀬が、はじめて寂しいなんて思う。
寂しいって、恋愛の基本ですよね、ある意味。
会えないから、寂しい。
寂しいから、会いたいって。
25歳にして、初めて恋の切なさと楽しさを知った一之瀬が、この先どうやってこの恋を続けていのか、広がりはじめた世界をどうやって受け入れるのか、興味は尽きませんね。
どうなることかと思った一之瀬でしたが、さすが花川戸さん・・・。
すばらしい着地。

それにしても、図書館司書って設定が、すっごいところで生かされてて、大笑いでした。
確かに、司書の得意技ですよね、調べ物。
・・・いや〜、気になるな〜、それが、普通の官能小説だったのか、BLだったのかが(笑)






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