2007年01月08日

蒼い海に秘めた恋:六青みつみ

蒼い海に秘めた恋
六青 みつみ著
海王社 (2005.5)
ISBN : 4877245030
価格 : \620
通常2-3日以内に発送します。



※ネタバレですよ。

<あらすじ>
未曾有の大洪水が起こり、地表と多くの人が失われてから1200年。
新しく発見された資源を頼りに、わずかな大地と海中都市で暮らす人々。
そこで起こった、なぞの病気水腐病。
主に女性に感染し、死に至らしめるという病は、世界の男女比を大きく変えた。
そのころ、水腐病の研究を行なっていたある研究所から、ある少年が逃げ出す。
ショアは、ただあこがれのオルソン・グレイに会いたい一心で。
採掘師×実験体モノ。


BL界の切なさの名手(笑)、六青みつみさんです。
・・・正直、ファンタジーなので、手を出すのを躊躇ってた作品です。
でも、ここまで、この世界観とBLがマッチしてしてたのって、すごいです・・・。
よし、六青さんのファンタジー系BLは読むことに決めました(宣言)
・・・それにしても、よしながふみ版大奥と、ハウルの動く城を、思い出したなあ(笑)



水腐病の完全な抗体を持っていたことから、幼い頃から研究所で生体実験を続けられていたショア。
五歳で研究所に連れてこられた時から、親代わりにショアの面倒を見てくれていたエリィに、ある日突然用済みだと言われてしまう。
エリィに深い愛情を抱いていたショアは、自分がエリィにとって野心のための道具でしかなかったことを知り、研究所から逃げ出すこと決める。
小さな時から、研究所という小さな世界しか知らなかったショアにとって、学習教材のディスクの中に映し出される、オルソン・グレイという採掘師の姿だけが、唯一の外界での希望だった。
その、グレイに会いたい一心で彼の元を訪れるものの、当然彼は、ショアのことを知るわけもない。けれど、自分を頼ってきたショアを優しく迎えてくれる。
そんな彼との暮らしの中、グレイが研究所を酷く憎んでいることを知り、自分のことをますます話せなくなってしまう、ショア。
けれど、最悪の形で、それはグレイの知ることとなり、ショアは激しく拒絶されることに。
弁解したくても、それができないように頭にチップを埋め込まれたショア。
そして、彼は、自分が病に侵され、あまり長くないことを知り、命がけの仕事を引き受ける。
グレイの、幸せだけを願って。

自己犠牲の愛なんでしょうか。
そもそも、世界中でただひとりという、抗体を持ち主であったため、五歳から二十一歳までの間、その身を、水腐病のワクチンのために犠牲にしてきた、ショア。
そんな彼の唯一の希望だったグレイに出会い恋したけれど、誤解からその希望すら失ってしまう。
誤解を解きたいのに、そうはさせない力が働き、彼に真実が告げられない。
そのため、ますますグレイに嫌われてしまう。
そんな悪循環をくりかえしているうちに、ショアを取り戻そうとエリィがやってきて、ますますグレイには反感を持たれる。
その一方で、海中遺跡の調査という目的で、海の底に沈んだ兵器に転用可能な危険物質の調査を志願する。
もう戻らないつもりで。
ショア以外にも、キールという若い子もメンバーに入っていたのだけれど、そのキールがグレイの新しい恋人だと知ったショアは、キールはなく自分が行くのだと決めてしまう。
どんなに好きでも、グレイの側にいられないことを悟ったショアは、エリィの手も届かない海の底へと行く・・・。

はっきりいって、六青さんの切なさは、ハンパじゃないです(笑)
さすがとしか言えません。
片思いの辛さとか、本当のことがどうしても伝えられないもどかしさとか。
その任務につく、前日、最後のお願いをグレイにしてしまう、ショア。
今晩だけでいいから抱いて欲しいと。
キールと同じ髪の色に染めたりと、いじらしいんだけど、やっぱり悲しい。
なにも、そんな時に、言わなくたってと。
グレイは、これが最後になるだなんて、知りもしないのに。
そうやって、自分の恋心を殺す道を選んだショアが、見つけた幸せは、本物だと思う。

それにしても、エリィをかわいそうだとは、あまり思わず、自業自得・因果応報の言葉を投げつけてしまいましたが、キールは、ホントに良い子(泣)
グレイのことがずっと好きだったくせに、グレイに特定のパートナーがいるときは何も言わず、フリーになってから、アタック開始という潔さ。
ライバルであるはずのショアにだって、一晩だけなら目をつぶる、とグレイを譲るようなことも言えてしまうし。
キール、幸せにおなりよ。




この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック