2012年11月06日

裏を返せば…! :栗城偲

4829625341裏を返せば…! (プラチナ文庫)
栗城 偲 梨 とりこ
フランス書院 2012-07-10

by G-Tools

<あらすじ>
塾の事務員である南雲は、鬼軍曹と渾名される数学講師の本郷が苦手だ。本郷は授業中以外は優したのだが、南雲にだけはいつもあたりが強いのだ。けれど男に殴られていた本郷を助けたところ、彼に自分はゲイで南雲のことが好きだと、驚くべき告白をされた。おまけにMで、つれなくされるのが嬉しかったらしい。てっきりドSだと思っていた彼に「しつけてください」と言われても…。


何度言ったかわからないんですが、私はSM苦手です…。
という私がこの本を読んでSとMについてぼんやり考えた。
確かに話にSMは絡んできますが、主人公である南雲の困惑にわりと共感できるので読みやすいです。
特にSでもMでもどっち寄りということのない南雲には、相手を殴るとか罵るとかで快感を得るとか、それを喜んでもらうとか、意味わからん…な世界なわけです。
好きな人は傷つけたくないっていう、心情の人なんです。
この世にはいろいろな性癖の方いらっしゃいますし、自分がそうじゃないからって、自分と違う性癖を否定するというのはいかんとは思うんです、でもわからないものはわからない…。
とくにそこに愛があるって言われても、その行為が暴力であれば私にはそれは意味わからない…。
SとMの関係もイロイロなんだとは思いますが、自分がなんとなくもやもや感じてた部分があったわけです。
よくわからないだけに理解できなくて、SMもの苦手、嫌いって結論に至ってたわけです。
でも読んでて、南雲の何でも受け入れてくれるってすごい的なセリフがあって、SMの行為にばっかり囚われてたけど、その奥にある精神的なものって考えたことなかったなあと。
これもある種の甘えですよね。
メジャーではない性癖(…だと私は思ってるんですが)、それを受け入れてくれる人がいて、また相手を受け入れる。
これって心開かないと生まれない関係だと思います。
相手に身を任せるって、結構怖いことだと思うんですけど、それができる相手ということで信頼から成り立ってる、すごい関係だなと思ったわけです。
…でも、その関係もなかなか難しいバランスの上に成り立っているんだろうなと推察されますが。
ヘタすると、相手にすさまじく依存するそこになりかねませんしね…。

力関係とすればSが上で、Mが下というのが私の認識。
でもSって、サービスのSですよね。
そう思うと不思議なもので、Mの人ってサービスを受けてあげてるとも取れますからね。
まさに表裏一体。
バランスさえとれてれば、それはそれでとても心地の良い関係が築けるんでしょう。
この話の南雲と本郷も、偏った関係ではないですよね。
本質的にもってるSとMの部分が入れ替わるというか。
Mのはずの本郷が攻って時点でいいですよね。
自分だったらこういう風に攻められたいという願望で、南雲を抱くわけですから、…それはどんなドS?(笑)

今回この本読んでちょっとは認識変わって、苦手意識は薄らいだかなとも思うんですけど、やっぱりまだ本格的な超シリアスなSMはダメかな…。
posted by 棗 at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>栗城偲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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