2012年10月28日

花宵坂に恋が舞う:絢谷りつこ


<あらすじ>
時に激しく時に切なく、義太夫節(ぎだゆうぶし)を語る篤也(あつや)。
その声を聞くと、直規(なおき)は胸を締めつけられる心地がする──。
若手人形遣いの直規は、篤也の師匠・勘大夫(かんたゆう)のもとに、 ある事情から一時的に身を寄せることになった。
篤也とも一緒に暮らせば、彼の声に緊張しなくなるかも、と思う直規だったが、 桜舞う相合坂(あいあいざか)を二人で降りた夜、 胸のドキドキの正体に気付いてしまい……?

文楽の世界ではんなり花開く、浪花の恋のものがたり


BLで伝統芸能の世界が舞台になったものはいくつか読んだことありますが、文楽の世界ははじめてかも。




伝統芸能の世界に対して抱いてる、堅苦しいとか難しいとかそういうイメージが強くて、しかも今まで読んだその手のジャンルのものがどうもドロッとした情念深いねっとり系(笑)だったからか、買ったはいいけど、なかなか手を出せずに…。
でも読んでみたら、しっとりした雰囲気もありつつなかなかかわいらしいお話でした。

直規は女の情念とか嫉妬とか、そんな世界にどっぷりつかってるわりに、恋愛には随分奥手というか、鈍いところが…。
文楽一筋で、自分のことはあとまわしっていうところが多々あるんでは。
それもあって、自分がなぜ篤也の声にどきどきしてしまうのか、篤也がなぜそんな態度なのか、なかなか気付けずに。
ぶっきらぼうな人なりに篤也は、かなり直規にアプローチしてるんですけどね…。
ふたりにとって大事な場所となった相合坂は何度かでてくるんですけど、このシーンがまたすごく雰囲気あっていいんですよね。
その気がなくても、それは恋に落ちちゃうよ!ってくらいです。
ましてや、実は両思いの二人で行けばなおさらです。
このお話、そんな二人の恋もさることながら、直規の人形遣いとして成長も見どころですよね。
単に好きな人ができたから芸に深みが〜なんて展開にならないで、やっぱりすごく悩んで考えて苦しんで、しかも恋人にはそう簡単に甘えたりもしないでってところが好きです。

ところで、直規は常日ごろから和装なんですが、まさかの褌ですよ!
なんか褌ってオトコマエなイメージがつよいだけに、まさかの受ちゃんのお召し物がそれとは思わず、ちょっと萌えた…。
posted by 棗 at 13:08| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>イロイロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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