2012年10月13日

リフレイン~君の心を眠らせないで~:鳩村衣杏


<あらすじ>
「雪は天使の羽根なんだよ」そう教えてくれたのは優しい恋人。でも、彼はそれを覚えていない―。営業マンの諒一は、宅配の誤送がきっかけで同じマンションに住む沖野と親しくなる。無難な人生を望んでいたのに、強く優しい沖野に惹かれ、友情はいつしか恋に変わった。戸惑い悩みながらも二人は恋人になるが、幸せのさなか沖野が事故で記憶を失い…?愛しさ満ちる極上の恋、書き下ろしも収録して文庫化。


リンクス版が出たのが2006年。
6年たってまた読めるとは思いませんでした。
それにしても、さすがに6年も経っていると、当時とは読んだ印象が随分違う気がします。
イラストが変わったのもあるかもしれないですけど、それにしても違うなあと。
読み手である自分がそれだけ変わったのなら、嬉しいんですけど、どうだろう…。



リンクス版のあらすじは、沖野の記憶喪失のことに触れてなくて、読むまで全然想像もしてなかった展開で、当時読み終わってかなりの衝撃を。
あの終わり方に納得しないってことはなかったんですけど(いやちょっとしてなかったかも)、やっぱりちょっと辛かったです…。
BL的大団円に慣れ親しんでただけに、あの結末に当時は自分の中でうまく消化し切らなかった感じ。
決してバッドエンディングではないんですけどね…。
当時、某ブロガーさんとこの作品の話をしたときに、彼女はとても前向きにその結末をとらえていたけど、私はひたすらあの終わりは…と嘆いていた記憶が。
今回、最後に沖野視点の書き下ろしが入っていて、それを読んでようやく私は心からよかったなあと思えました。

ゲイの沖野とノンケの諒一、いつしか二人は恋に落ちてつきあうことに、でも不幸な事故で沖野は自分がゲイだという記憶を失ってしまい、沖野を想う諒一の気持ちだけが取り残されてしまう。
二人が過ごした時間はたった4ヶ月、でも二人にしてみればとても大事な時間。
それがゼロにリセットされてしまう、しかも一方的に。
そこからまた二人は関係を一からはじめるのだけど、今度は立場が逆転してるんです。
あの頃の沖野の立場に、諒一は立たされることに。
同性に想いを寄せる側と、それをどう受け止めていいのかわからない側。
諒一は当時の自分を思い出し、その一方で沖野がどんな気持ちだったのかに気付くのです。
あの時沖野から諒一へと向けられた言葉を、今度は諒一から沖野へと伝える。
それが沖野の記憶へと直接つながるものはない。
でも二人のかわす会話や行動は、失われた過去に確実につながってはいるんです。
ドラえもんのくだりだったり、電柱のことだったり。
思い出せない過去があるけれど、二人はもう一度恋をする。
その一年後のお話が書き下ろし部分だったんですが、失われてしまった記憶に対して、二人が見つけた答えはこれだったんだなと。
それと当時読めなかったクリスマスのエピソード。
それがあってこその、最後のお話。
二人はこれからいくつのケーキを食べるんでしょうね。


ところで、鳩村衣杏さん、デビュー10周年ということで、全サがありますね〜。
小冊子すごく楽しみ(≧∀≦)
個人的には、弔愛がどんな内容になるかすごく気になる…。
posted by 棗 at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>鳩村衣杏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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