2012年07月16日

ほろ苦くほの甘く:遠野春日


<あらすじ>
大手商社に勤める綿貫充彦は、関西から単身赴任で異動してきた須藤斎課長に好感を抱いていた。有能で女子社員からも人気のある須藤だが、部下の肉食系女子社員・小峰から強引なアプローチを掛けられて困っているところを、偶然居合わせた綿貫が助けて以来、二人の距離はぐっと近くなり!?書き下ろしでお贈りするビタースウィートな大人の純愛。


遠野さんは、華々しい経歴のキャラクターが活躍するようなイメージを勝手に持ってたんですが、この作品はかなり直球で恋愛モノ。
こういう大人のじれったい恋愛モノは大好きです。


※いろいろ内容に触れてます


上司・須藤は妻帯者。
でもそんな須藤に片思い中なのは、部下・綿貫。
最初から、叶う見込みのない恋心ではあるのに、どの気持ちをどうやっても止められない。
仕事に行けば、いやでも顔を合わせなければならない。
綿貫の思いは日に日に強くなっていく。
けれど、どうすることもできない…。
そんな毎日を送ってたとき、ある事件をきっかけに綿貫と須藤の関係はぐっと近づく。
ただの上司と部下の関係から、友人のようなとても居心地のいい関係に。
須藤もちょっとした心の弱みを、綿貫にみせたりするように。
会社のことだったり、妻との関係だったり。
けれど、ノンケの須藤がゲイの綿貫に恋愛感情を抱くということにはならないのだけど…。
綿貫も、須藤との距離が縮まれば縮まるほど、嬉しいけど苦しい。
そんな状況が続いていたある日、須藤に綿貫は告白をしてしまう。
気持ちを受け入れられることなく、須藤は異動が決まり、綿貫の前から去ってしまう。

綿貫は、内に秘めてるタイプと見せて、案外大胆な行動に出てみたり、脆そうにみえて強さもきちんと持ってる。
どっちかといえば、煮え切らないのは、須藤のほう。
実は、そつなくこなせるのは仕事くらい…?
とはいえ、今まで同性を好きになったことのない人が、突然の告白に動揺するのは当然だし、その後が挙動不審なのはわからなくもない。
タイミング的に最悪で、全部を投げ出して東京から逃げだしたかった時に、綿貫の告白。
そつなくかわすことができないくらい、余裕がなかったんだろうなあと。
綿貫からみた須藤は、とてもかっこよくて仕事もできて、パーフェクトに思えるかもしれないけど、でも実は須藤だって普通の男なんですよね。
そしてもう一方の綿貫も、失恋したただの男。
だから、誰かの優しさにすがりたくなるのも当然で。
須藤のことは忘れられない、でも振られた。
そんな状況で、須藤に似た声をもつ男に誘われて手を取ってしまう綿貫。
どうしても忘れられない人がいることと、寂しさを埋めたい気持ちが、相反してしまうだけに、綿貫自身すごく苦しむ。
その弱さと優しさが、彼の弱点であり美点でもありますよね。
悪いこととわかってても、やめられない。
やめられないから、余計に辛い。
そんな綿貫だからこそ、竹本は身代わりみたいな関係でも本当に綿貫のことを好きでつきあってたんだろうなあ…。
だから、綿貫と須藤がうまくいかなきゃ、黙って身を引いた竹本の立場がないよね…。
お願いだから、この竹本も救済してあげてほしい…。

いやーしかし、小峰はいらっとくる女だなー。
…どう考えても、こういう女は女子から嫌われてると思う。
それでも嫌われてないって、よっぽどしたたかなんだなあ…。
posted by 棗 at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>イロイロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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