2012年04月16日

春、君を想う:小川いら


<あらすじ>
父親のDVが原因で大学進学を諦め、カフェでバイトしている沙智。ある日、深酒した父親に怪我をさせられた沙智は、バイト先の先輩・尚が恋人と同棲しているマンションに匿ってもらうことに。そこで出会ったのは尚の恋人で賢吾というエリートサラリーマン。一見無愛想な賢吾に沙智はつい構えてしまうが、尚が仕事でいない夜に突然賢吾にキスされてしまい―。


相手をどんなに好きでも、同じように相手が想いを返してくれる、とはかぎらない…。





なんでだろう、つき合っている相手がいながら別の相手に心奪われてしまうのが、攻の役目なのは。
逆もあるのかもしれないけど、わりと今まで読んだ中では、そのパターンが多い気がする…。
この作品でも、同棲までする恋人がいながら、別の相手に心奪われたのは、攻の賢吾。
しかも、その相手が恋人の職場の後輩という…。
考えただけでも修羅場すぎる…。
先輩の恋人に好意をよせられてしまったのが沙智。
沙智は家でのできごとが辛過ぎて、もう辛さがわかんなくなってきてるんじゃないかってくらいぎりぎりのところにいて、もういつ折れてしまってもおかしくないって状況。
日々の生活だけでもう頭はいっぱいで、それ以外のことに目は向かない。
ましてや恋愛なんて、自分には関係のないことのように考えてる。
そんな時、家での出来事がきっかけで、職場の先輩・尚の恋人、賢吾と知り合うことに。
まあ賢吾の第一印象は、つっけんどんというか、優しさの欠片もないような人。
恋人の尚に迷惑かけてる自覚があるだけに、賢吾に嫌われてるんだと素直に納得できるほど、親切ではない対応を受けるんですが、その後トラブルに巻き込まれた沙智を助けてくれたのも、賢吾です。
その時、賢吾が沙智の手を取ってしまった、それが沙智にとっても賢吾にとってもすべての始まりだったのです。
そして、尚にとっては不幸の始まり…。
尚がもっとヤな奴だったら読んでるほうも気がラクなんですけどね、すごくいい子なんですよね。
賢吾のことは好きだし、沙智のこともかわいい後輩としてかわいがってる。
いっそ二人を憎めるくらいの性格だったら、こんな損な役回りしなくてすんだんだろうな…。
だからこそ、沙智と賢吾はなかなかくっつくことが出来ない。
気持ちはお互いに向かってる、でも尚のこと考えたら素直に進めない。
そんな時に、やっぱり一番辛い目みるのは、尚…。
うじうじ悩む賢吾の背中を押し、迷う沙智に言葉をかけるのも、全部尚。
こんな尚に尽くされ、想いを寄せられていた賢吾、いつか好きになれるかもしれないと思い付き合い始め同棲まで始めたけれど、結局恋愛とは条件ではないんですよね。
あの時あの場所で沙智に出会い、手を取った。
それがすべてを吹き飛ばしてしまった。
いつか好きになれるかも、そう考えてしまった時点でもうダメなんじゃないかな…。
恋なんて、いつかするものじゃなくて、いまするものだから。

尚も幸せにしてあげて〜と思ってたら、きちんと尚が主役の続編出てました。
ヨカッタヨカッタ…。

posted by 棗 at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>小川いら | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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