2012年04月11日

金のフォークに銀の匙:かわい有美子


<あらすじ>
有名な監査法人の看板公認会計士・不破はルックスもよく肩書きだけなら満点だが、性格は合理的で冷たい「観賞用」の男。ある日、交通事故に巻き込まれ、はずみで顔見知りの大学生・三谷に怪我をさせてしまった。世間体から仕方なく彼の面倒をみることになった不破。そんな裏など読みとれず、不破の社交辞令を優しさと勘違いする三谷の鈍さに初めは苛立っていたはずが、いつしか可愛く思えてきて―!?腹黒公認会計士×天然大学生。


うーん、腹黒ではなかったような気がするんだけどなあ。



かわい有美子さんの作品だと、職業モノのストイックな中に色気のあるお話だったり、がつっと恋愛色の強いお話だったりがすごく好きなんですが、今回はどちらかと言えば恋愛ものだけど、かなりかわいらしいお話だったような気がします。
こういう雰囲気のお話もいいですよね〜、すごく楽しめました。

本の帯にも”腹黒”って書いてあったから、どうなんだろって思ってましたが、不破はそんなに言われてるほど腹は黒くないと思うんですけど…。
確かに、すごく神経質だし、無駄を嫌って合理的過ぎて冷たく感じることも多いし、かなり毒はいてますけど、それでも人を落し入れてやろうとか騙そうとかそういう策士的なことはしないですよね。
結構不器用だと思いましたけどね、人付き合いに関しては。
…とはいえ、私もこの人とは一緒にいれないと逃げたくなるタイプではあるんですが(苦笑)
なんというか、不破のまわりは殺伐としてますよね。
監査法人の公認会計士というお堅い仕事についているからかもしれませんが、彼のまわりいる人々はなんか疲れそうな人ばっかりですよね。
職場の上司・同僚、学生時代の知人etc...。
自分の損得だけでつき合ってるような人たちとの関係が、居心地いいだなんてあるわけないですけど、それをまた割り切ってつき合える不破もなかなかです…。
その辺が、腹黒なのか?
とにかくそんな不破の前に現れた…というか、ぶつかってきたのが、大学生の三谷。
頭にお花咲いてそうな、超がつくほどの天然ちゃん、でもただのアホッコとあなどるなかれの癒し系でもあります。
不破にしてみれば、ここまで裏表ない人間であり、人の行為を好意的に受け止められる素直さには驚きなわけです。
そんな三谷は、不破の中では完全にワンコ、しつけのよい癒しのワンコ。
ギスギスした人間関係に普段身を置いている不破にしてみれば、三谷の存在はとても心地よい。
他人を自分のテリトリーに入れることを嫌がる不破にしては、あっさりそれをゆるしてしまいましたしね。
彼とは、事故がきっかけでご飯を作ることになったわけだけど、面倒くさいしやだなーと思ってたわりに、怪我が治るまではきちんと面倒見てあげてるんですよ。
なんだかんだいいつつも、不破も情が深い人。
ただ、普段の言動がアレなだけに、彼のそういう本質を見極められるものがまわりにはいなかっただけで、三谷はわかるんですよね。
不破という人は、いまでこそ勝ち組の方に籍を置いているけれど、酷い苦労をした過去がありそれもあってか人とのつき合いは、壊滅的。
でも表面的にそれでも、じっくりつき合えば悪いところばかりじゃないってことに、三谷は気付く。
そんな天然でお花畑ちゃんな三谷、そんないい子だから基本的に人に好かれるタイプですよね。
バイト先でも学校でも、お友達多いですから…。誰かさんとは大違いです(笑)
確かに先に恋をしたのは三谷だったけれど、不破もやっと今までの生活が寂しいものだって気付いたんだろうなあ。
友だち100人いないかわりに、一番の理解者がそばにいてくれるって、すごいことだと思うんですよね。

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