2012年04月09日

茜色デイズ:夏乃穂足


<あらすじ>
大学時代、親友である倉田英慈への恋心を自覚した鮎川直也。だが責任感が強くて男気のある英慈には恋人がいて、直也は自分の想いを口にすることなく、卒業後数年経った今までずっと友達として付き合ってきた。苦しい片恋だが英慈の中に自分の居場所があればそれでいい−−そう思っていた直也には、しかし英慈は知らない秘密があった。大学の時一度だけ、高熱で朦朧となった英慈と関係を持ったことがあったのだ…。


個人的ブーム到来中の夏乃穂足さん。
特にこの新刊はツボ押されまくりでした。





中学時代に出会った二人は、ほどなく親友という関係になるのだけれど、直也はあるとき英慈への気持ちが友情ではなく、恋愛であるということに気付いてしまう。
けれど、今あるこの親友というポジションを手放したくないという思いだけで、不毛な片思いを続けることに。
まわりのゲイへの風当たりの強さであったり、また同じ部の先輩から襲われかかった直也への、英慈の言葉の端々から感じる自分を責めるような言葉の数々であったり。
ただでさえ、親友に恋してるという状況に悩んでるところへ、それを前向きに捕らえることができなくなるような状況が続くのです。
しかも、たった一晩、二人の関係に間違いが起こるのだけど、英慈はその相手が直也だとは知らず、そばにいた別の女の子だと思い込み、責任を感じてつき合うことに。
ことごとくタイミングが合わない二人は、恋愛という感情を隠したまま、大人になっていきます。
大人になっても、親友というポジションにかわりはないけれど、学生時代にはなかった、結婚という二文字が大きくのしかかる。
しかも中途半端に片思い引きずってる直也は、職場の先輩からアプローチにぐらっとなりそうにはなるんですよね。
現に、弱音吐いちゃうし。
直也は、基本的に英慈の前では弱いところは見せないですよね。
英慈に追いつきたい、同じ場所に立ちたい、そんな気持ちで大学時代は部活動に励んでいて、大人になってからも、全然違う仕事をしていてもやはり無様なところはみせたくないと思ってしまうんではないかな。
直也にとって、英慈って自分を高めるためになくてはならない存在で、そこに最初から恋愛感情しかなかったら、そうはならなかったんじゃないかなと思ったんですよね。
英慈って、妙に恋人を甘やかしそうなイメージありますし。
今でこそ社会人でお互いに、自分の価値観きちんと持ちつつ世界を広げていけますけど、学生時代は日常生活と学校とが区切りがなくてあいまいだから、親友じゃなくて恋人として二人がつき合っていたら、今みたいな関係にはなれなかったかもなと思いました。
とはいえ、遠回りなふたりですよね。
しかし、英慈には言いたいことが山ほどある。
ここまでダメな方向に気を回す男は久々…(笑)

個人的には、侑をなんとかしてあげてーと思わずにいられない。
彼主役のスピンオフ求む!
posted by 棗 at 17:02| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>イロイロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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