2012年02月18日

月一滴:かわい有美子

かわい 有美子
笠倉出版社
発売日:2012-02-10


<あらすじ>
―誰かの一番になりたい。ドアマンの橋本は、ゲイでいつも男運が悪かった。二股、暴力…普通の恋がしたいだけなのに、付きあうのはみな酷い男。最近も傲慢で橋本を馬鹿にしてばかりの飯島という男に言い寄られていた。ある日、橋本は飯島と口論になり殴られてしまう。その時偶然居合わせたバーの常連の嵯上に助けられる。嵯上の柔らかな優しさに癒され、嵯上もまた橋本の純粋さに惹かれ、二人は少しずつ距離を縮めていくが…。


北嶋はやっぱり北嶋でした(笑)




「上海金魚」は物語の中に流れる空気に酔わされて、そこはかとなくエロスを感じさせるお話で、「透過性恋愛装置」は、愛すべき恋の奴隷・北嶋が牧田の手のひらで転がされるお話。
このお話は、どんな雰囲気になるのかなあと、読む前から楽しみにしてました。
花本さんの表紙イラストも素敵で、俄然期待が高まっただけに、読むのも怖かったですけどね…。
期待しすぎて、あれ?ってなることが多いので。
でもそんな心配は全くもって吹き飛びました。
こういうお話が読みたかった…!
素敵な恋愛小説堪能させていただきました。

前作、「透過性恋愛装置」読まれてる皆様は御存知のように、北嶋という男は本当に、愛すべきキャラでして…(笑)
見栄え良し、センスよし、仕事よし、なのに壊滅的に性格がいただけない…。
とはいえ、その難有りの性格を補えるほどのものを持ってるというところが、彼の美点なのか、不幸なのか…。
まあ牧田はそこがかわいくてしかたないようですが。
牧田と付き合って少しは改善したかとおもいきや、北嶋は北嶋のままですよね(笑)
出番、多くないのに、主役カップル食ってしまいそうな勢いでしたから。
そこが、北嶋が北嶋たる所以か…。
そう北嶋って、主役の橋本からしてみれば、たくさんのものを持ってる人なんですよね。
何もかもが、ナンバーワンの男。
仕事もそう、ルックスだって、センスだって。
地味で控えめな橋本にはまるでないもの。
でも、一番好きな人にとって自分と言う存在が一番でありたいと願う部分だけは同じなんですよね。
お互い、認めなさそうですが、そういう根っこの部分は似てると思う。
だからこそ、北嶋は妙に橋本に懐いてるんじゃないかな。
とはいえ、実に対照的な二人、橋本の恋もなかなか一筋縄ではいかないですよね。
激しい感情に突き動かされるような恋の仕方ではなくて、恋をしていいのかちょっと不安になりつつ踏み出してる、そんな感じ。
橋本は、事実無根の悪い噂があるから、自分なんてと考えてるところがあるし、嵯上も本気の恋愛するには痛い失敗をしてるだけに、本気になるのは怖い。
そんな恋に臆病な二人は、ジェットコースターみたいに恋に落ちなかったけれど、出会うたびに積み重ねていく時間の中で少しづつ思いが大きくなっていく。
恋の仕方はいろいろだけど、こういうのはすごくいいですよね。

それにしても、佑季と滝乃もらぶらぶしてるようですし、牧田と北嶋なんて、言わずもがな(笑)
他のカップルのその後を垣間見ることができて、それもうれしかった。
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