2011年11月03日

愛人関係 執着:椎崎夕



<あらすじ>
孤独を抱え、誰にも頼らず、甘えることを知らずに生きてきた智之は、高島一成と知り合い、初めて人の温もりを知った。どうして一成は自分みたいな人間に優しくしてくれるんだろう?そんな疑問を抱えたまま一成の強引さに流されるようにして愛人になることを承知した智之だったが、ある日、その理由を知ってしまう。それは、智之の過去とも大きく関わるものだった。一成への罪悪感と恋しさが募るなか、どんどん追いつめられてゆく智之だったが…。


タイトル通り、執着のお話でした。



ネタバレ上等の方のみ、続きをどうぞ。


椎崎さんの新しい面を知ったというか、なんというか…。
私の中では、椎崎さんは切ない系にカテゴライズされていて、読んでて胸が痛くなるようなセンシティブなお話書かれる方だと思ってたんですよ。
1作目も読む前はあらすじだけだとそういう感じだと思ってたんですけどね…。
まさかこんなにも期待を裏切られる展開になるだなんて、だれが想像した…。
意外すぎて、もう夢中で読んじゃいました。
早く続きが読みたいです。




以下ネタバレ有りです。

すいません、攻がまじで怖いんですけど!((((;゜Д゜))))
執着系攻はやはりすさまじい破壊力だわ、私にとっては。
すべては一成の手の内だったのかと思うと、執念感じずにはいられないよ…。

子供の頃の事故の加害者と被害者という関係であることに智之は思い出してしまったうえに、一成に対しての恋愛感情にも気づいてしまう。
だからこそ、一成に事件のことがばれないようにと、彼の元から逃れようとするんですが、一成が智之を手放すことはなく、ひたすら傍にいようとするうえに、自分以外の誰かと接触することことすら嫌がる。
嫉妬通り越した、完全な執着心。
こうやって、智之は一成に囚われていく。
あげくに、唯一の肉親だと信じてる祖母との関係があっさり壊れてしまい、ますます智之には一成しかいなくなる。
その一成が、実はすべてを知っていて、そのために計画を練っていたんだとしたら?
…その執着の原動力は、愛情じゃなくて憎悪。
もう一成の計画通り。
智之にはもうなにもないですから、家族も何もかも。
そもそも逃げ場はないし、もはや逃げるという選択肢は失ってますから、すべてを知ってしまった今なら。
あるのは、この世で一番自分を殺したいと思っている一成の存在だけ。
この状況を作り出すために、どれだけの時間とお金を使い、智之を絡めとっていったのかと考えると…。
それだけ彼の心が病んでるんだろうけど。
過去を思い出し始めた智之に、事故現場で当時の出来事を語るシーンは、もう一度読むと本気で怖い…。
一成の心の中は、本当に誰にも見通せないんだな…。
前作読んだ時思った、一番なってほしくない展開になってしまいちょっと鬱モードはいりそうでした。
それにしても、最初の部分では智之と同じように、すっかり一成に私も騙されてたわけで、ほっとしつつも、智之の真実がバレてはいけないという緊張感がすごくてしんどかった…。

この先彼がヤンデレるのか、ただただ壊れるのか…。
怖いけど、知りたくてしょうがないです。
一成と智之、言葉の上では愛人関係ということになってるけど、実態はどうなんだろう。
智之は、この先自分の中に生まれた恋愛感情と、過去の事故の罪悪感とで苦しむことになるだろうけど、そんな智之を見て、一成は満足するんだろうか。
そのために、自分でそういう状況作り出したんだから、満足しないわけないんだろうけど…。
ただ、憎い相手に復讐したいのなら、他にもいろいろな方法があるのに、あえて、愛人関係というのを選んだのには、やっぱり意味があるんだろうけど、一成の真意はいかに…。
憎しみをぶつけると一成と、それを受け止めるしかない智之の関係は、本当にそれだけでおわってしまうんだろうか。
次回作は、サブタイトルが「初恋」。
この終りのない関係に、唯一の希望の言葉に思える。

あと、やっぱり智之と家族の関係はすごく気になる。
祖母や母親や兄との関係は一体どうなってるのか?この先どうなっていくのか。
ばあちゃん、頼むから何もかも自分の胸のうちに秘めたままいくとかやめてよ…。
なぜ、祖母が智之に冷たくあたるのか。
本人に告げることはなくても、本当は智之を大事に思ってるみたいなんだけどなあ。
ツンデレにもほどがある…。
それがなぜ、花屋の跡継ぎになることだけをそこまで嫌がるのかわからない…。
相続に関わる何かで問題が生じるからとか?
智之の名前が表に出ることを嫌がってるだけなのかと思ったら、そうじゃないみたいだし…。
すっきりしないよ〜。
posted by 棗 at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>椎崎夕 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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