2011年03月06日

札幌の休日:桜木知沙子

札幌の休日1 (新書館ディアプラス文庫 241) [文庫] / 桜木 知沙子 (著); 北沢 きょう (イラスト); 新書館 (刊) 札幌の休日2 (新書館ディアプラス文庫) [文庫] / 桜木 知沙子 (著); 北沢 きょう (イラスト); 新書館 (刊) 札幌の休日(3) (ディアプラス文庫) [文庫] / 桜木 知沙子 (著); 北沢 きょう (イラスト); 新書館 (刊) 札幌の休日 (4) (ディアプラス文庫) [文庫] / 桜木 知沙子 (著); 北沢 きょう (イラスト); 新書館 (刊)
<あらすじ>
最初にして最後、そして最上の恋。

大学二年の皇が住むマンションの隣に、新しい住人・芦谷が越してきた。
同じ大学に通う彼との出会いは、皇にとって人生の奇跡だった──。
複雑な出自と過度の期待に、息を詰めるようにして生きてきた皇。その重圧から四年間だけ逃避するため、進学先に選んだ札幌の地で、芦谷は皇の最初の友人となり、皇の世界を開く扉となった。
やがて皇は、胸の痛みとともに初めての恋を知り……?

青春BLの金字塔、待望の文庫化!!


花丸版もってるのに、買ってしまった。
それくらいこの作品好きだー。




BLというより、主人公の皇の成長物語という気持ちで最初も読んでたし、今回もそうだった。
家から逃げ出すために選んだ遠い北海道の大学で、奇跡みたいな偶然で芦谷に出会って、恋をして。
恋をしてからも、なかなか前に進めなくて、いっぱい寄り道して、関係ない人だって傷つけて、でも自分も傷ついて。
そうやって泣いたり笑ったりして、皇は成長していったんだよね。

自分の出生に関わるいろいろな事情から、皇は自分の感情をすべて閉じ込めることを覚えてしまって、できることは諦めることだけ。
未来になんの意味も希望も見いだせなくて、ただ周りから言われた道を黙って進むだけ。
自分が誰かを好きになっていいだなんて、思ってない。
自分で自分を幸せにすることを諦めてるというか、幸せになってはいけないと強く自分に言い聞かせてる。
なのに、芦谷に出会って、好きになってしまって。
自分なんかが、芦谷を好きになっちゃいけないって、一生懸命自分の気持ち殺そうとするところが、なんか読んでて辛くて辛くて。
人を好きになるだけで罪悪感感じるだなんて、それはすごく悲しすぎる。
そして、芦谷の存在って、ただ好きっていうだけの存在じゃないんですよね。
それ以上に、皇にとってすべての人なんです。
唯一、皇が自分らしく居られる場所が、芦谷のとなり。
そこがなくなったら、もう皇は生きていけないんじゃないかって思えるくらい、大事すぎる場所になってしまったんですよね。
それは、それだけ芦谷が皇を大事にしてたから生まれた場所ではあるんですが…。
それがなかなか皇には伝わらないですよね。
だからこその紆余曲折の道のり。

それにしても一番最初に読んだ時に、どうしてこんなにわかりにくい人たちばかりなんだろうと…。
皇はもちろん、皇の父に母に姉も。
誰か一人でもホンネでぶつかってたら、こんなに長引かなかったんじゃないかなって思えるくらい。
でも、今回読みなおして思ったのは、結局のところ、皇がかたくなだから、相手もそうなのかなと…。
そういう態度だったら、やっぱりちょっと諦めちゃうよなあって。
でも皇は皇で筋金入りの、諦めが先にたってしまうタイプだから、歩み寄るもなにもってかんじだし。
だから、たったひとつ壁が壊れただけで、あんなにもいろんな感情が溢れ出してしまってた。
その壁の壊し方は、ちょっと怖かったよ…。
あんなふうに一方的に終わらせようとされたら、だれだって悲しい。

このお話、全4巻ですけど、ふたりがいたすのはほんとに最後の最後なんですよね。
そっちの焦れ焦れ感は全くないんですけど、二人がくっつくまでの焦れ焦れ感はありすぎるほどありました。
はたから見てれば芦谷ほどわかりやすい男はいないと思う。
それほど、自分に向けられる気持ちが見えなくなってる皇がかわいそうであり、芦谷が気の毒すぎた…。
久しぶりにあんな理性の神が宿った男見たよ…ほんとに22歳?

今度は東京の休日読むぞ〜。
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