2011年02月12日

恋を知る:月村奎

恋を知る (ディアプラス文庫) [文庫] / 月村 奎 (著); 金 ひかる (イラスト); 新書館 (刊)

<あらすじ>
背が高くて、顔と頭が良くて、謙虚で優しい王子様キャラ。
そんなふうにいわれる海(かい)は、担任の榛名(はるな)に片思いをしている。
頬に触れられたり、煙草の残り香をかぐたびに、まるで乙女のように海の胸はざわついた。
もちろんそれは秘めた感情で、告白なんて一生するつもりもなかった。
だが、ふとしたことからその想いを榛名自身に知られてしまって……?

恋する気持ちをいっぱい詰め込んだミリオン・キス・ストーリーズ!



ちょっと珍しい短篇集でした。
そして実に古式ゆかしいキヨラカなおはなしでした(笑)




「カーマイン」高校生×高校生
卒業を目前にした、同級生のおはなし。
自分の気持ちは普通じゃないから、気持ち悪がられるから、それを伝える気なんてない。
でもそれも苦しいから早く卒業してしまいたい、その一方で会えなくなるのは嫌だから、もう少しこのままでいたい。
そういう矛盾した感情で揺れ動く高校3年生の片思いストーリー。
友達でもいられなくなるくらいなら、何も言わないほうがいいだなんて経験はなくはないので、わからなくもないもので…。
でも年取ると時間が無限ではないことを知るんだよ。
だから、あとのことより今を考えがちなんだけど、私もそういう考え方してた若かりし頃があったなあと懐かしいような、恥ずかしいような、居たたまれん気持ちでいっぱいになりました(笑)

「三年目」社会人×社会人
同棲3年目のカップルの、倦怠期の痴話喧嘩ストーリー(笑)
月村さんの作品でこういう”できあがったカップル”のその後っていうのはちょっと珍しいかなあと思ってみたり…。
私も「3」の壁が破れないひとなので身につまされたわ…。
たしかに片思いしてる時とつきあってるときって、いろいろ違うよね。
これはしょうがないんだよ、価値観の違いって絶対にあるんだし。
じゃあそこでどうするかってことだよね。
諦めるか妥協するか。
私はあっさり諦めちゃうからだめなのかなあ…。

「賞味期限内にお召し上がりください」大学生×大学生
友人同士でルームシェアしてるけど、実はその相手に片思い中で、成就しそうにないからいつ出ていこうか思案中なおはなし。
ここでも価値観の違いってでてくるんだけど、食品の賞味期限を気にする気にしないってことだけど、これってやっぱり一緒にいるからこそ身近に感じるよね。
そして、その価値観の違いこそが、相手を思う原動力になってるところが、すごいよね。
普通、賞味期限切れた物食べるなんて!的ないやがりかたはあるとおもうんだけど、それを好ましいと感じるなんて、それはそれですばらしいよね。
自分の価値観こそがすべてってわけじゃないから、それを相手に押し付けるわけでもなく、否定するわけでもなく。
やはりその柔軟性は羨ましいな。

「恋を知る」先生×生徒
表題作ですね〜。
カラー口絵もこのカップルなのかな?
表紙見て、受け攻めがわからん!と騒いでましたが、よーく見たら身長が先生のほうがちょこっと高かった。
先生と生徒なら、生徒攻めのほうが俄然萌えますが、これもよかったよ〜。
やっぱり人生経験豊富な大人に、あっさりすべてを看破されちゃう高校生って初々しくてかわいいよ。
自分の性癖に悩んで悩んで、どうしていいかわからなくて、ぐるぐるしてたところに、自分の思いばれちゃって、「死ぬ」ってなるくだりはもうね…。
若さゆえの衝動だなって…。

「small things」
これはひとつのおはなしかと思ってたら、このなかに短編がはいってたのですね。

「お餞別」中学生×中学生
転校の寂しさは、時間が経てば薄れるんだよね…。
薄情だとか、酷いとかじゃなくて、やっぱり日々過ごしてるとそうなってしまうんだよね。
そんな中で、忘れたくない、忘れないでいる大事な人っていいよねwww
頑張れ中坊なおはなし。

「知能犯」高校生×高校生
告白アレルギー持ちのオトコノコと、知能犯的な幼なじみの同級生カップルができあがるまでの紆余曲折。
そんなアレルギーやだよ!(笑)

「春になるといつも」大人×大人
…パティシエ×小説家でいいんだよね?イラストから判断して(笑)
これが一番好き!
高校のころの同級生、その高校生のころを思い出しながら、今もバレンタインデーを一緒に過ごしてる。
長い10年のあいだにいろんなことがあって、でも今も一緒にいますっておはなしなんだけど、短いなかにいろんなことがぎゅっと詰まってて、すごくいいよ。
10年でかわったこととかわらないことがあって、それが素敵だ。

「チューニング」
未成年アイドルとそのバックバンドのギタリストさん。
芸能ものだったから、一瞬「レジーデージー」に出てきた、彼かと思ったじゃん…。
小型室内犬みたいにキャンキャン吠えてるかわいらしい受けちゃんと、それをさらっとかわしてしまう大人。
勝負見えてるよねwww


全体的に、すれ違いが多かったですよね。
たった一言、その時言えていれば、そんなに何年もの遠回りをすることはなかったのでは?ってくらい。
でも恋愛には、遠回りも必要だよ。
考えて悩んで諦めそうになったりしがみついたりそういうもろもろの感情を知ってからのほうが、やっぱりいいんじゃないかなと思ってみたり。
でもそのときはなんでこんなに辛いんだ、ってくらいつらいよね。
posted by 棗 at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>月村奎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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