2010年04月11日

普通のひと:榎田尤利


普通のひと (SHYノベルス)

普通のひと (SHYノベルス)

  • 作者: 榎田 尤利
  • 出版社/メーカー: 大洋図書
  • 発売日: 2009/03/28
  • メディア: 新書



<あらすじ>
ただ恋がしたい。胸をどきどきさせたい。

コンビニのおにぎりなら『赤飯』!
それがマイルールの花島光也は、
ある夜、最後のひとつの赤飯おにぎりを見知らぬ男から譲ってもらった。
『お洒落』よりも『誠実』という表現が似合う・・・
でも、どこにでもいるような男だ。
数日後、編集経験があると偽って入った出版社で
光也はその男、的場宗憲と再会するのだが!?
普通に生きてきた・・・でも、恋した相手が同性だったら?
臆病な大人たちに贈る、思わず恋がしたくなる物語!

『普通のひと』(『普通の男』より改題)、『普通の恋』に、ふたりのその後を描いた、書き下ろし『普通のオジサン』も収録!!
装いも新たに完全版となって登場!!


普通ってコトバについて、すごい考えてしまった。



作中にも何度となく”普通”ってでてきて、普段から何気なく使ってる言葉でありながら、こんなにも難しい言葉はないなと。
自分基準である限り、その”普通”は自分ひとりにしか当てはまらないわけで、他の人から見れば”普通”ではないわけで。
そう思えば、自分が普通だと思ってることは、自分ひとりのモノでしかない。
ただ、世の中には、全く同じとは言えないまでも、似たようなこと思う人がいるからこそ、”普通”基準が生まれるんだなと。

花島も的場も、同性を恋愛対象にしたことなんて一度もない、”普通の恋愛”しかしたことない二人で、だからこそ自分の中に生まれた気持ちがなにか分からないし、わかってもそれをなかなか認めることができない。
認めても、そう簡単に進めない。
ようするに、自分が今まで普通だと信じてたことから外れてるから。
ただ、それを認めてからの、的場は早かったかな。
花島は恋愛にたいして臆病なタイプだからなのか、気持ちを認めてからも結構うだうだ悩んじゃってて先に進めない。
付き合いだしてからも、結構気持ちがすれ違ったり、誤解が生まれたりっていうのは、やっぱり自分の価値観過信しすぎなところがあるから、的場は特に。
こうしたほうがあとが丸く収まるから、そう思って自分が良かれと思ってしたことが、相手に全くもって伝わってなかった。
的場自身、自分が汚れ役を買ってでることに何のためらいもないくせに、その意図を花島に汲んでもらえなかったことにがっかりきちゃって、フォローしようとして逆効果だったり…。
的場は、自分のしてることの意味は勝手に読み取ってくれる、それが普通だと思ってるけど、それは大きな間違いで、花島にしてみればその時の的場の言葉も態度もすべて見えてるものがすべてで、裏の意味なんてわかんないですよ。
ただ、花島のために悪人になることをためらわないくせに、実際なってしまうと言い訳したくなっちゃうところが、ばかだなーって(笑)
好きだからこそ助けたいし、いいカッコしたいし、感謝されたい。
それはわかる。
わかるけど、花島は的場じゃないんだから、その心まではわかんない。
ましてや花島は、物事をネガティブに捉える傾向があるんだから。
でも、そういうこと花島も、言わないですよね。
何も言わないで、自分の中で勝手に結論出して終わらせて。
お互いに、言うべきことが抜けてる。
とくに、えっちのくだりはいろいろと…。

それにしても久々に、ゆっくりと恋をしていくお話読みました。
恋愛の過程は人それぞれだから、遅いも早いもないんですけど、ただ行動にうつすのがだんだん遅くなっていくのが大人かな。
攻めの姿勢より守りにはいっちゃうんですよね。
いままでの経験が邪魔をして。
そして、自分を相手に対して開く怖さっていうのは、いつまでたっても変わらない気がする。
普段読んでるのは、なんというか体の関係に持ち込まれるまでが早いですよね。
枚数の関係とかいろいろあるんでしょうけど。
異性を恋愛対象としてきた二人だからこそ、お初までの紆余曲折があるのは当然だし、葛藤がない事自体おかしいですよね。
だからこそ、この丁寧なストーリーに始終うるうるきてた。
そもそもタイミング的に、このお話はジャストフィットすぎでしたよ。
花島、無職になったところから始まってるし(笑)

posted by 棗 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>榎田尤利 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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