2009年08月05日

キスは大事にさりげなく・夢はきれいにしどけなく・恋は上手にあどけなく:崎谷はるひ

  

崎谷はるひ
キスは大事にさりげなく
夢はきれいにしどけなく
恋は上手にあどけなく
角川ルビー文庫

<あらすじ>
日本画の大家である祖父と、鄙びた田舎で静かに暮らしていた一之宮藍は、突然の祖父の死で降りかかってきた莫大な相続税に、すべてを失うことになってしまう。しかし、途方にくれる藍の前に現れた志沢グループの後継者・志沢知靖は、祖父同士が旧知の仲だったと告げ、藍は祖父の作品とともに彼に引き取られることになった。だが与えられた身に余る贅沢に戸惑う藍は、衝動的にその身体を志沢に差し出そうとしてしまうが―。


昨日のいつき朔夜さんに引き続いて、またしても無一文受けちゃんの出てくるお話です。
ですが、私はこのシリーズ、メインカップルよりも、あの方が気になってしょうがなかったです・・・。
あ、別に好きだってわけじゃないですよ、あくまでも気になるというだけです(笑)



社会的には大人な志沢と、まだまだ子供の藍。
でも藍には母性にも似た包容力備えてますよね、その前では志沢なんて嫉妬深いただの一人の男ですよね(笑)
その二人の間に現れた、福田が個人的に気になるなあと。
1巻読んでる時には、そんな予兆もありませんでしたが、2巻に入ってからの、その病みオーラ全開ぶりにかなりひきました・・・。
気持ちの悪いオッサンなんですよ、福田。
執着心の塊のような人で。
崎谷さんって、こういう病んでるキャラ書かれるとすごいですよね・・・。
福田は、藍にちょっかいだしてくるんですが、彼の執着ポイントは、藍の父親・衛です。
おそらく、福田がおかしくなったのも、衛が壊れていったのも、この二人が出会ってしまったことからはじまります。
だれにも理解されないけれど、二人の間でだけ成立した愛情が、おそらくあったはずで、一度は一緒にいることを選んだ二人だけれど、結局別離の道を進むことに。
それも、衛が福田のもとを去るという方法で。
だからこそ、福田が並々ならぬ執着をみせるとも言えるんですが・・・。
一体、何年間追いかけてたの?ってくらい長い間です。
まだ生まれてなかった藍がこんなに大きくなるほどだから・・・。
そんな歪みまくった福田の愛ですが、それを受け取っていた衛も福田を愛してたはず。
愛してるからこそ、福田の愛が怖かったと思います。
福田の愛は、結局すべてが自分のためにしか思えないんですよ。
衛を愛してると言いながら、その先にあるのが自分というのが見えてしまうんですよね。
ようするに、相手を自分の思うがままに操ることがすべてで、その結果それに答え続けた衛は自分自身がなくなっていく。
この時、衛は自分がなくなってしまうことと、そうなることで福田を愛することができなくなることと、どっちがこわかったのかなと・・・。
結局、福田の愛を捨てることになってしまったけれど、一生愛することはやめられなかった人ですよね。
ただこの福田の病みきった愛情があったからこそ、藍は生まれ志沢と出会うかと思うとなんか皮肉な結果。
最後に彼は、衛の本当の姿に触れることになるのですが、あれで彼はあの病み切った呪縛から解き放たれることができたのかどうか。
きっとそれだけはないだろうな・・・。

病んでるキャラの気持ちだけは、どうにもわからん・・・。
わからんだけに、妙にひっかかるんですよね〜。
絶対に好きじゃないけど。
この記事へのコメント
こんばんは〜

崎谷さん3連発とは…また濃ゆい(笑)

>>崎谷さんって、こういう病んでるキャラ書かれるとすごいですよね・・・。
全く同感です(^^)

衛と福田の関係については、過去話が短編集『蜜は夜よりかぎりなく』の中に載ってる「「逆理―paradox―」を読むといろいろ補完できることがあるかもしれません。
Posted by 成田智 at 2009年08月06日 01:18
成田さん、こんにちは!

ここ最近の暑さになんとなく、こってりエロを求めてしまい崎谷さんづいてる今日この頃です・・・。
そのどれもこれもに病んだキャラがいらっしゃいまして(笑)しかも、それがハンパない病みっぷりで、ついつい引き込まれます・・・。
そのくせ、、随分前に先の二作は読んでたんですよ!
でも、福田のねっとり病みオーラになんとなく及び腰だったのです・・・。
でも、私の心を掴んだのは最終的に彼でしたが(笑)


>『蜜は夜よりかぎりなく』の中に載ってる「「逆理―paradox―」

この短編集どうしようかすごく悩んでたんですよ、藍達のお話なら、私はどちらかといえばあまり興味もなく・・・(笑)幸せなことはわかり切ってますし。
でも、福田と衛のお話が読めるのなら、早速入手しなければ!
ものすごく重要な情報ありがとうございました♪

Posted by 棗 at 2009年08月06日 18:43
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