2006年01月29日

8年目の約束:うえだ真由


<あらすじ>
小学校で教師をしている中澤千波には忘れられない人がいた。
高校3年の夏、告白をされ、たった一度だけ身体を重ねた相手、榊晴一。
ある約束を破ってしまい、ふたりは音信不通のまま8年が過ぎてしまう。
そんなある日、千波の勤める小学校に、晴一が突然現れる・・・。
元証券マン×小学校教師モノ。


・・・うえだ真由さん祭りみたいです(笑)
本当は、うえださんの別の作品の感想書こうと思ってたのに、この「8年目の約束」を読んだら、もう書かずにおられるものかという心境にいたりました・・・。
なんていうか、ツボ、でした。
・・・それ以外の言葉が見つかりません(笑)




舞台は、田舎町。
その町の旧家の跡取りとして育てられた千波。
厳格な祖母にしつけられ、それに不平不満をこぼすわけでもなく、反発するわけでもなく生きてきた。
そんな千波の元へ、晴一がやってきたのは、小学校5年の頃。
都会からやってきた、彼は、天真爛漫で屈託が無く、みんなともすぐに打ち解けた。
その日から、高校3年の夏まで、長い間千波は恋心を募らせることになる。
そして、海水浴に出かけた日、突然の雨に一泊することになった二人。
そこで千波は、晴一からずっと好きだったという告白を受けることになる。
身体を重ね、幸せだったはずの二人を待ち受けていたのは、なにもかもを壊してしまうようなある事件だった。
そして、そのことをきっかけに、高校三年の冬に、千波は晴一との約束を破ることになってしまう。
・・・こういうのって、なんかやりきれない。
本人達の意思なんて関係なく、物事が進んでいってしまう。
旧家というものを大事にしすぎる千波の祖母の干渉だったり、好きな男をとられた腹いせをする同級生の女の子だったり。
そんな障害ばかりで、離れたくて離れたわけじゃないふたり。
気持ちはあるけど、環境がないと言えばいいのか。
きっと、そのころの二人は18歳くらで、まだ若くて。
自分たちの意思だけで物事が決められる年じゃない。
なにかに流されるようなかたちで、別れてしまった昔。
あれから8年もたって、お互いきちんとした大人になってる。
もう、まわりの言葉に左右されず、自分の行き先は自分が決めればいい。
ものすごくまわり道をした二人だからこそ、今度こそ幸せでいてほしい。

読んでいて、旧家のプライドにしがみついてる千波の祖母が、すごくイヤだなと。
・・・そうなんだけど、そういう生き方しか選べなかった時代に生まれて、それ以外の道があることなんて思いもよらなかったし、考えもしなかったはず。
別の道があると知ってしまった千波を、必死に引き戻そうとする姿は、やっぱり少し切ないかも。
彼女には彼女なりの正しい道があって、それを千波が歩むことが幸せだと、真剣に信じてるんだろうし。
・・・それを押し付けられた方は、迷惑でしかないかもしれないけど、愛情は多分あったはずだろうな。
その一方で、事件の張本人の女の子。
・・・千波には抗議にうつった行為。
それって結局何がしたかったんだろう。
哀れんでもらいたかったのか、同情されたかったのか、それともそんなことで晴一の心が奪えるとでも思ったのか。
自己中心的で自己満足。
でも、それって、やっぱり彼女も若かったからこその行為だったのかな。
・・・でも100%狂言だと信じて疑わなかった私は、同性に厳し過ぎるかも(笑)





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