2009年07月10日

真音1:谷崎泉


谷崎 泉
Amazonランキング:9028位
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<あらすじ>
母親の借金のせいで、暴力団の事務所に連れてこられた進藤は、粗野で野性的な本部長・富樫に、一目で気に入られてしまう。その気のない進藤は富樫をはねつけるが諦めてもらえず、無理矢理に何度も食事に連れ回されることに。秘密を抱え、静かに生きてきた進藤は、心を騒がせる富樫と距離を置きたかった。だがある日、強引に部屋にやってきた富樫に口説かれ進藤は断るが、突然押さえ込まれ身体を弄ばれてしまい…。


最近、ずっと一般書ばかり読んでて、ホント全然BL読んでなくて、久々に読んだのがこの本。
谷崎泉さんのこういう硬派な話は、萌える〜♪



あらすじ読んで、借金のかたにヤ○ザの慰みモノになるいつものやつかな〜と思ってて、最初スルーしてたんですが、どうも違うらしいと聞き及んで手を出すことに。
いや、ホントに受けの進藤が、オトコマエ。
久々に、こんな芯のある受けちゃんみたよ・・・。
あんなにカワイイ名前なのにね(笑)

母親が踏み倒した借金が元で、連帯保証人になっていた進藤は、事務所に連れて行かれることになり、そこで富樫という男に出会うことに。
富樫にひきあわせた部下の槙原も驚くほど、進藤って、この状況にびびっててもないし、怖がってない。
21歳の若さが嘘みたいに、落ち着いて淡々とその事実を受け入れようとし、あまつさえその借金を返すためにどうしたらいいかと聞いてくる始末で。
進藤は、どうも過去にいろいろとわけがある人物なんだけど、だからといって変にやさぐれてもないし、すれてもない。
なんていうんだろう、何かを手放しちゃった人、そんな風にみえるかな。
生まれも育ちも、おそらく想像以上に普通じゃないんだろうなっていうエピソードがたくさんあって、焼き肉食べたことないとか、居酒屋で何注文したらいいかわからないとか、おそらく日常を普通に暮らしていれば当たり前のような情報も、彼の中では真新しい事実で。
その中でも、お箸のエピソードは、ちょっと痛々しかったな・・・。
女将さんに叱られて一生懸命直そうとしてるとこなんて、あんまりにも素直で、でも彼の生きてきた道は全然普通じゃなくて。
そのアンバランスが、なんかちょっと切なかったな、あのシーンは。
進藤は、おそらく今まで家族ともだれとも深く接することなく、とにかくひとりでやってきたんだろうけど、槙原に出会い、富樫に出会い、さめに会い、母親の借金が原因とはいえこんなにもだれかと深くかかわったことって、今までなかったんじゃあないかな。
彼を取り巻く人々は、人がいいというか、情のある人だから、そんな風に進藤に接しているけど、でも進藤自身にもなにか人物的な魅力があるはずで。
さめや槙原なんて、完全に保護者みたいになってるもんね。

そんな生きてるか死んでるかわからないような、どこか現実感の乏しい生を生きてきた進藤に、強烈に現実を見せつけてるのが、富樫で。
おそらく生き方も考え方も、なにもかもが正反対なタイプなんだろうけど、でもお互いに目をそらすことができない存在。
富樫は完全に肉食獣なんですよ、でも進藤は一見草食に見せかけて、すごい牙を隠し持ってる、そんなタイプなんですよね。
その隠してる本性こそが、彼の過去に関わっていて、その本性を隠すがためにこんなにも現実感の乏しい生活を送ってるのかなと。
なのに、富樫は遠慮なく進藤の中に踏み込んできますよね。
しかも、布団プレゼントして、ご飯おごって、エロいことしかけて、きっちり人間の生きてく上の欲望押さえた攻め方してますもんね。
どんなに進藤が目をそらそうとして、許さないですよね、富樫は。
だけど、進藤って、甘い言葉も手管にもなびかない。
贅沢な生活にも、ラクな生き方にも興味はないのかな。
それともそれを知らないから、欲しいだなんて思わないのかな。
意地を張ってるわけでもなく、ただ今でいいと思ってる進藤と、それがどうしてもわからない富樫と、この二人、体の関係は持ったけど、気持ちはどうだろう?
この先どんな関係に変化するのかな?
進藤にも過去があるけど、富樫にもあるんですよね、ワケありの過去が。
ふたりのその過去が重なったりしなければいいなと思いつつ、続編が気になります!
posted by 棗 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>谷崎泉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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