2009年06月23日

ラブストーリーで会いましょう〈上〉:砂原糖子



<あらすじ>
海外取材から帰ってきて早々、上芝駿一は人気恋愛小説家・庭中まひろの担当に。初対面の庭中から伝えられた上芝の仕事は、庭中が送るシナリオ通りに作中の男を演じてみせろ、というものだった。しかも主人公の女は庭中自身が演じるという。分刻みでスケジュール通りに行動する庭中と、シナリオに沿った「デート」を繰り返す上芝だったが…。
担当編集者×小説家モノ。


砂原さんらしい、いつもの不思議なキャラかと思いきや・・・。





突然、畑違いの恋愛小説家の担当をすることになった上芝。
庭中まひろという人気作家は、とてつもなく変わった人だった。
与えられた仕事はひとつ、まひろの書いたシナリオ通りに作中の男を演じるというもの。
そうやって「デート」ごっこを繰り返し、まひろは恋愛小説の女主人公になりきり、作品を作り上げようとするのに、上芝はまひろの思ったとおりの言動をしてくれない。
まさにアドリブにつぐアドリブ。
何もかもが予定通りでなければ落ち着かないまひろには、それが堪え難いことなのに、上芝は全く気にせず。
青年実業家のイケメン(笑)を演じて欲しいのに、なぜかいつもTシャツ&ジーンズだったり車が4駆のでっかいのだったり、シナリオにはないセリフ言ってみたり、真逆の行動をしたり。
まひろは、上芝に振り回されてるように感じてるけど、上芝はまひろにふりまわされてます、当然。
仕事という名目で、デートごっこしなくちゃいけない、しかも男のまひろを女扱いをして。
ばかばかしいと思いつつも、それはそれで仕事だからとわりきれる。
しかも、その時だけは、いつも無表情なまひろに表情が出たりするから。

堪え難きは、やはり、その異常なほどの、スケジュール管理。
朝起きた時から寝る時まで、一日のスケジュールが分単位で決まっていて、それにそって動くまひろ。
スケジュール管理してるんじゃなくて、完全にスケジュールに自分自身を管理されてる。
そんな普通じゃない自分を、まひろ自身は、病気だということをわかっているし、その原因も掴んでる。
でも、だからってそれで自分自身は困ってるとも、不便だとも思ってない。
そして何より、心が傷ついてることも感じてない。
そうまひろは信じてる。
でも、そうじゃなくて、なにも感じたくない考えたくないと思ってるだけなんだということに、上芝は気付いてしまう。
他人に心惹かれることもなく、誰かに恋することもできないくらい、自分の感情というものを手放してるまひろ。
でも、その心の奥にある気持ちは、文章からは滲み出てる。
本人が気付いてないだけで。

予定で恋をして、スケジュール通りにひとりえっちするというまひろ、そんな計画通りの人に、計画外に入り込んできたのは上芝。
どれだけ恋愛小説を書いてきても、自分自身の恋愛感情には疎くて、それが初恋だと気付いた時には、もうとなりに上芝はいない。
しかも、どうしたらいいかなんて、わからない。
わからないけど、泣いちゃうんだよね。
受け至上主義の私は、いつもだったらこういう場合、攻めをがっつりだらしないと叱り飛ばしたい衝動にかられるのですが、今回は、どっちも可哀想で・・・。
二ヶ月連続刊行でよかった、あんなところで終わられたら、気になってしょうがないよ!
・・・BLだから、おそらくハッピーエンドだと思ってるけど(笑)こればっかりは絶対はないから、どきどきするなあ。

それにしても、お隣さんのバカップル、ちょっとしか出てこないわりに存在感あるよね〜。
でも、私個人としては、編集部のあのふたりがカップルになってくれたほうが、萌えます(笑)
posted by 棗 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>砂原糖子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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