2009年03月14日

弔愛―群れなす天使の歌声に:鳩村衣杏



<あらすじ>
合言葉は「『天使の群れ』をウォッカで」―私立探偵の城上は、亡き親友の遺言で生き別れた彼の弟を捜すことになった。彼が死の間際に遺した3枚の写真と「天使の群れ」という言葉を追い、辿り着いたのはバー「ユーフォリア」。バーテンダーの憂里は、男を惑わす謎めいた笑みを浮かべ、「天使の群れ」と言う名のカクテルを出した。淫蕩に甘く、酩酊を誘う憂里に城上はある衝動を覚える。―この男を、壊したい。夜の果て、男たちのサスペンシヴ・ラブ、開幕。
私立探偵×バーテンダーモノ。

久々に読んだ新刊です〜。
鳩村さんといえば、職業モノBL、そんなイメージだったんですが、これはちょっとやられたな〜って。
確かに、私立探偵とか、バーテンダーとかって、そこだけみれば、職業モノともみえなくもないですけどね。
今まで読んだ鳩村さんの作品とはテイストが違っていて、これはこれで楽しめました。
甘さ控えめのカカオ99%チョコレートみたいなお話でした。




例によって北方謙三さんのブラディ・ドールシリーズに激萌えしました。
そんなわけでハードボイルドも何冊か読んだんですよ。
確かにこの作品、BLと言うには甘くないし、でもハードボイルドと呼ぶには何かが足りない・・・。
なんだろうと考えたら、そう女がいない!
どこまでも男たちに都合がいいだけの、やたらめったらいい女がいない。
そこだったか!(笑)
そのかわり一癖も二癖もある男がでてきますけどね♪

たくさんの過去を背負った城上は、少々・・・いや多々、壊れてる人間です。
自分ではどうしようもない破壊衝動を抱えて、それが外に向かい、やがて自分を傷つける方向へ。
それが暴力的な衝動から、精神的な方向へと意味を変えても、何かを破壊したいという衝動からは逃れられないでいる。
他人であったり、自分であったり、関係だったり。
そんなどうしようもない感情を抱えてたがゆえに選んだ警察という仕事を、やはりそれから逃れることはできず自らを破滅させる方向へと導いてしまう。
流れ着いた先は、私立探偵。
同じような過去を背負う世界でただ一人である自らの理解者である、亡き親友・一ノ瀬の弟探しをすることに。
そこで、出会ったのが、憂里。
彼もまた、背負うものが多過ぎて、かなり歪んでしまってます。
自らが生き延びるためにどうすればいいのか、よくわかってる。
身体と心で相手をつなぎ止める術を、熟知しているから、男娼のようなことをしていながらも、堕ちることはないんですよね。
ただ、憂里の場合は、生き延びることは、すなわち囚われの母親を解放することにつながっている。
そういう最終目的が常に存在している。
でも、城上には、なにもなくて、おそらくがむしゃらに命に執着なんてしてないと思う。
ただ今は、一ノ瀬の遺言があるから、そのためだけに生きてる、そんな風に見える。

攻めの城上も、受けの憂里も、ほかの男とフツーに寝てます。
城上は単なる性欲処理目的でセフレと、憂里は生きるために二人の男と。
ふたりとも、そこになんら感情はなくて、ただの行為。
でも、城上と憂里の二人の間には、行為以上に感情はありますよね。
憎しみと愛しさが紙一重のところでせめぎあってるような関係、甘さなんて欠片もありませんが。
ふたりはおそらくわかりあうことなんてない、真逆の存在でありながらも、その歪な心を持つもの同士、なにか引き寄せられるものがあるのかなと。

・・・しかし、ソコで終わりますか!
期待して待ちましょう。

ラベル:BL 鳩村衣杏 小説
posted by 棗 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>鳩村衣杏 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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