2009年03月10日

座布団・花扇:剛しいら


剛 しいら
Amazonランキング:294821位
Amazonおすすめ度:



師匠・山九亭初助の死を知らされた森野要こと山九亭感謝。その胸の内に、一枚の座布団の上で常に話芸の極みを目指し別世界を繰り広げ続けた誇り高い落語家への想いが去来する…。噺家は一生涯の全てを自分の芸の肥やしにするものだと、学ばせてくれたのも師匠だった。たとえそれが情愛でも、別れでも…。



今や人気の落語家山九亭感謝こと森野要がまだ半人前の頃、元兄弟子の寒也とそういう仲になった我が身の幸福に比べ、何の未練もなく男を使い捨てる師匠山九亭初助の孤独を気の毒に思うこともあった。しかしその人生には真実の愛を貫く想像以上の物語があったのだ…。粋な噺家たちの艶話が再びお目見え。


来月いよいよドラマCDが発売されますね。
なのに、絶版のまま再販されることがないなんて。
月並みですが、すごくよかったです・・・。





主人公は、山九亭初助に弟子入りした、山九亭感謝こと森野要。
彼が、自らが弟子を持ち、出会った頃の初助と同じくらいの年になっています。
その要が、初助を回想していく形で物語が進んでいくのですが、同じ落語家でありながら、初助と要は全くタイプが違う。
年が違うというのもあるのだけれど、人間性がまるで違うというのか。
得意演目も、全然違う。
明るく楽しい話が得意な要と、切ない恋話を得意とする初助。
”落語家”という仕事に対するスタンスも違えば、恋のしかたもまるで違う。
初助は、それこそ生活のすべてが仕事のなるような人で、自らの恋愛体験すらもすべてが芸の肥やしとなる人。
生き方すべてが、山九亭初助なんですよね。
でも、要は恋と仕事は別物だと、思ってる。
たった一人の相手を見つけ、そのことで悩んだり苦しんだり、でも仕事は捨てられない。
だからといって、それが仕事に対してプラスアルファになるかといえば、そうじゃない・・・。
最初読んでて思ったんですけど、要がBLなら初助はジュネだなあと。
我ながらよくわかんない例えなんですけど、似て非なるものというか、根底に流れるものというか、なにか根本的な違いをすごく感じるんですよね、この二人。
でも、この二人、弟子と師匠の関係では、とてもうまくいってましたよね。
あれだけ男を食ってきた初助だけど、要と寝ることだけはなかった。
・・・同じ男を食ってますけど。
それがあるからこその、あのつながりなのかもしれない。
肉親なんてだれもいな、天涯孤独の初助の、一番近い存在だったのが、要。
死に水を取りたいといった要を断った初助。
彼は最後まで、噺家・山九亭初助でしたよね。

そんな初助の、最初で最後ともいえる恋。
優しさという感情に触れることもなく生きてきた初助が、はじめて憎しみや苦しみ以外の感情に触れたのが、その人だったわけで。
物心ついたときから、男を転がすことにかけては凄腕の持ち主だった初助が、どうにもならない感情を抱えて、苦しんだり悲しんだりしてる姿は、初助ではなくただ一人の男、壱矢だったんだろうなと。
ラベル:BL 小説 剛しいら
posted by 棗 at 21:00| Comment(2) | TrackBack(0) | BL(小説)>剛しいら | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
棗さん
ご無沙汰してます。
この作品、来月ドラマCDでますよね。キャスティングが山口勝平さん、神谷浩史さん、三木眞一郎さんです。
Posted by at 2009年03月11日 00:05
蓮さんこんばんは。

出る出ると噂だけはずっと聞いてたんですが、ホントに出るとは!とちょっとびっくりしました(笑)
あの落語のシーンとかってどうなるんでしょうね。

キャストは、納得!な一方、要を山口さんと聞いてびっくりしました。
山口さん、BL系のドラマCDにでてらっしゃるとは・・・。
奥が深過ぎます、ドラマCD(笑)

コメントありがとうございました!
Posted by 棗 at 2009年03月11日 20:45
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック