2006年01月05日

家賃:月村奎



※ネタバレしてます。

<あらすじ>
中学教師の里谷遼の元に突然転がり込んできたのは、元教え子にして人気アイドルの望月和哉。
芸能界で問題を起こし、事務所も追われ親にも見放された和哉は、「家賃ならカラダで払う」と言い切り、担任でもなく、特に授業を受け持ったこともない遼の家でのイソウロウを決め込む。
そのくせ、生活態度はめちゃくちゃで、遼のペースは乱されっぱなし。
そんな、和哉を遼は追い出せずにいた。
それには、和哉が在学中にある一つの事件があったからだった・・・。
中学教師×元アイドルの元教え子モノ。


あけましておめでとうございます。
新年一発目は、2005年から2006年をまたぐかたちで読んだ「家賃」です。
・・・おかげで、除夜の鐘にも気がつかず、煩悩の繰り越しです(笑)
そんなことより月村さんの新刊ですが、一年と数か月ぶり?ですね・・・実に永かった(笑)
ひょっとして、小説家をおやめになったのかなと秘かに思ってたんですが(本気)、BL雑誌でエッセイ書かれてたようだったので、そういうわけでもないんだな、じゃあなぜ?みたいな(笑)
新刊が出れば、そんなことどうでもいいんですが。
でも、それだけ待った甲斐もあったなという、月村節炸裂のかわいいお話でした。




月村さんの言うところの、派手な設定(「レジーデージー」あとがき参照)のお話になるんでしょうか・・・。
元とはいえアイドルですから、主人公が。
それ以上にやはり教師×教え子しかも24歳×15歳という背徳の極み(笑)な設定にやられました・・・。

「家賃」というタイトルで、きっとこういうはなしなんだろうな〜と予想はしてましたが、まさかこんなにカワイイ話とは!
ドナドナな話(笑)だったらどうしようと、実はびくびくしてました。
中学時代から問題児だった和哉は、芸能界でも問題を起こし、芸能事務所を辞め、あまり恵まれてるとはいいがたい家族の元へ帰ることも出来ず、遼のところへと無理やり押しかけてしまう。
担任教師だったわけでも、授業を受け持ったことがあったわけでもなく、ほんの数回しか会話をしたことがない関係だったにもかかわらず、面倒を見るはめになってしまった遼。
そのくせ傍若無人の限りを尽くしてしまう和哉は、遼を呆れさせてしまう。
でも遼が和哉を放り出すことができないのは、一年前の事件ががあったから。
それは、遼が和哉にキスをしたこと。
といっても、恋人のそれではなく、どちらかといえばそれは家族にするような優しいキスだったけれど、それをネタに和哉は居座ることに。

・・・キスを恐喝のネタにするような子が、そんな前科者のところへまたのこのこ現れること自体を怪しめ遼!
とツッコミたかったほど、遼はにぶちんな攻でした。
そして、素敵な脅迫からはじまり「カラダで家賃払う」発言を連発、すばらしい誘い受け発言をくり返してましたが、やはり15歳でした・・・な初々しい受の和哉。
二人のやり取りなんて、かわいらしいんです、本当に。
でもやっぱり月村さんなんですよ(笑)
和哉の持つ母親への思いというのが、あんな別れをしてしまったから、好きだから嫌い、愛してるから憎んでてみたいな・・・。
そんな和哉に、まさに家族的な愛を最初にくれた人が遼。
相手が自分をどう思ってるとかじゃなくて、ただ自分のことを思ってくれてるっていうのが幸せなこと、ということを和哉に教えることが出来たんだろうな。
逆に、遼自身も早くに家族をなくしてるけれど、幸せなことを幸せだときちんと感じることができる人で、家族の愛をちゃんと知ってる。
もしこれで、二人がただ傷舐め合ってるだけの関係だったらいやだったんだけど、そうじゃないところが実に月村さんらしいというか・・・。
欲を言えば、もう少し厚ければよかったかな(笑)

それにしても、和哉の食生活はもう・・・。
遼じゃなくても気になります。
っていうか、食生活が乱れてる人って許せないんですけど(笑)
そっちもきちんと教育してやってください里谷センセイ!!








posted by 棗 at 21:55| Comment(4) | TrackBack(1) | BL(小説)>月村奎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは棗さん

年越しに読まれたんですね。108の煩悩を払うという除夜の鐘ですら、801にハマった腐女子達の煩悩は消せなかったということで(笑)

>・・・キスを恐喝のネタにするような子が、そんな前科者のところへまたのこのこ現れること自体を怪しめ遼!

棗さんのツッコミが面白い(「のこのこ」って…!/爆笑)ホントに遼のにぶちんっぷりには呆れました。

でも待望の月村先生の新刊、読めて嬉しかったです。今年はもう一冊くらい読めたらいいなぁ(消極的)

いそいそとTBさせていただきましたv
Posted by suzuya at 2006年01月07日 15:14
suzuyaさんこんばんは。
TB&コメントありがとうございました。

>801にハマった腐女子達の煩悩は消せなかった
おっしゃる通りです(笑)
除夜の鐘だけは聞こうと思ってたんですけど、もう夢中で(笑)

久しぶりの月村さんが年の差カップルで、しかもこんなにカワイイ話とは、期待以上でしたー。
遼のボケてるところも、かわいいといえばかわいいですし(笑)

>今年はもう一冊くらい読めたらいいなぁ(消極的)
昔の作品の復刊でもいいので、ぜひ一冊は読みたいですよね。(ますます消極的)



Posted by 棗 at 2006年01月07日 21:44
久々に、月村さんの本が出てる事に気付きました。

まだこの本読んでないけど、楽しみな作品ですね。

本当に、しばらく本が出てなかったので、もう小説家を辞めてしまわれたんじゃないかなと、ションボリしてました。

この作者の本は大好きです!
Posted by ばぶー at 2007年06月14日 00:35
ばぶーさん、こんにちは。

月村さん、「家賃」のあと、2冊でましたけど、一冊は新装版でしたし、今年はもう一冊でも新刊を!と願ってはいますが、どうなるんでしょう・・・。
雑誌では、時々お名前お見かけするので、お辞めになったということではないんでしょうね。
待つ方は辛いですけど、期待して次回作を待つことにします。
Posted by 棗 at 2007年06月14日 21:17
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Excerpt: 【家賃】 月村奎 / 松本花 (ディアプラス文庫) 「誰かにとって永遠に必要だっていう存在になれなかったら、  いくら不特定多数の人間に騒がれたって無意味だよ」 ..
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Tracked: 2006-01-07 14:45