2008年11月16日

他人同士3:秀香穂里


秀香穂里
Amazonランキング:371位
Amazonおすすめ度:



※ネタバレ気味です。

<あらすじ>
元恋人・帯との仲を疑った暁が出ていって以来、元の荒んだ生活に陥っていた諒一。
仕事だけは自分を裏切らない──。暁を吹っ切るように仕事に打ち込んでいたがある日、仕事で致命的な大失敗をしてしまい……!?
カメラマン×編集者モノ。


シリーズ一作目『他人同士1』の感想はコチラ
シリーズ二作目『他人同士2』の感想はコチラ

わーい、オレサマ・澤村登場だー。
あいかわらず、自信満々の嫌みったらしい男だけど(笑)
まあ、この男も、水嶋のまえではかわいくなったりするからなあ。
そんなわけで「くちびるに銀の弾丸」のキャラも顔を出してるシリーズ最後の「他人同士3」
ロマン派腐女子、大満足の最終巻でした。


諒一は、今回二度も暁を手放すんですよね。
一回は、帯との関係で揉めて、暁が部屋を出ていってしまう。
もう一回は、カメラマンとして、大きなチャンスを目の前にした暁に「行け」と、背中を押すどころか、突き飛ばしてる(笑)
最初は、もう諒一もへこんでへこんで、大事な仕事で痛恨のミス。
暁のこと考えたくなくて、忘れたくて、大好きな仕事に逃げてるんだけど、逃げ切れなくて、躓いた感じ。
しかも、友人との仲もぎくしゃくするし。
暁を失ったことで、諒一がほかにも大事にしてるもの、どんどん失っていくんですよ。
ドミノ倒しみたいなもので、些細なきっかけで今まで積み上げてきたものが、全部ダメになっていく・・・。
でも、それをただ指をくわえてみてるだけじゃないのが、諒一なのかな。
っていうか、今までの諒一の積み重ねてきたモノがあるから、土壇場でひっくり返せたんじゃないかなと。
確かに諒一って、めちゃめちゃ口は悪いし仕事命でそんなに人に甘くもないけど、やっぱり人間性って長くつき合ってればわかるもので、見捨てられないですよね、彼。
困難な状況でも手は差し伸べてもらえるわけですよ、まわりから。
どんなに、諒一が空回ろうが、ダメになりかけようが、みんな優しい。
愛されてますよ、諒一って。
でも、その時そこに暁はいない。
その状況を打破する方法は、諒一もわかってるんですよ、ただ暁を選べばいいって。
でも諒一は二の足を踏んでしまう。
やっぱり、恋愛のトラウマは根が深い。
そんな時、暁のチュニジア行きの話が持ち上がります。
・・・年上の恋人がここで「行け」と言わないで、誰が言う!ですよ。
暁って、諒一が行くなって言ったら、ホントに行かないんじゃないかなって思うんですよ。
若いって言葉で片づけたら可哀想だけど、でもそう、若い(笑)
その場の感情だけで、動けちゃう。
でも、そこで、先のことまでずっと考えれるのが、年上の役目でしょう♪
本当は行かせたくないので、「行け」って言えるその潔さが好きです。
そこで、引き止めて欲しかったのに、引き止めてもらえなくてがっくりきてるだろう暁が、カワイイ(笑)
絶対耳が下がって、しっぽがしょぼーんってなってそう・・・。
でも、あの別れのキスシーンは、切なかったよ。
二度目は、自分の意思で暁のこと手放してしまって、前よりはもうちょっと自分の気持ちきちんと見えてる諒一。
やっと、感情の突き動かされて行動できたのが、暁の渡航の直前。
空港まで追いかけるのに会えない二人に、涙した(笑)
そうやって暁のこと手放した諒一は、まわりからいろいろ言われてて気の毒だ・・・。
だって、彼の選択は間違ってないと思うよ。
ただ、大事な言葉が抜けてたけど。
どんなに不確かな約束になってしまっても、あそこで「待ってる」って言えれば、暁ももっと素直に旅立てたと思うし、諒一自身がもっと楽だったんじゃないかな。
諒一って、結局恋愛苦手なんですよね。
先の見えない、長い道のりだから。
この人、ホントに恋愛だけは長い目で考えられないんですよね。
だからものすごいいっぱい自分に言い訳して、「待ってる」って言わない。
待ってるのが怖いから。
その気持ち、わからなくもないけどね・・・。
そんな諒一に、うごくきっかけを与えてくれるのは、やっぱり暁。
でも、あそこまできちんと行動起せたのは、諒一自身の力だと思う。
もちろん、かれを取り巻く人々の応援あってのことだけど。
でも、そんな人々に出会えたのも、帯との辛くて苦い恋愛があったからっていうのも、なんか皮肉なんだけど。
その帯に、別れを告げた諒一、大人になったんだなって、思いました。
相手をただ傷つけたり貶めたりする別れじゃなくて、ちゃんと敬意を払ったけじめのつけかた。
それも、帯の存在があったからからこそだし、暁のことがあるからなんでしょうね。
暁との関係はきちんと、未来があるんですよ。
そして、いますぐ、会いたい。
で、会いに行くのは、やっぱり諒一の仕事。
あそこで、待ってるって言えなかった、好きだって答えなかった、後悔してる人の仕事です。
しかし、えらい高い雑誌だなあ(笑)

あとは、全サでしめくくりですね!

posted by 棗 at 22:03| Comment(0) | TrackBack(0) | BL(小説)>秀香穂里 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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